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  1. 16件ヒットしました

  2. ─遥へ

    今朝、急に別れようとか言ってごめん。
    遥の泣き顔が頭から離れねえ。「絶対嫌だ、一緒にいたい」って言ってくれて嬉しかった。

    …でもごめん。それだけは無理だ。
    俺ガンが見つかったんだ。去年。
    もう末期なんだ。
    明日、手術がある。もし成功すれば入院すれば治るけど、そうじゃなければ俺は、死んでしまう。

    遥には、いつ死ぬか分からない俺なんかじゃなくて、もっと強い人と幸せになってほしい。そう思って別れた。

    …でも、無理なんだ。できねえんだよ、遥を忘れるとか。遥が他の男を好きになるのを想像するのすげえ嫌だ。
    …悪い、こんなバカな俺で。でも二度と会えなくなる前に、これだけは言いたい。

    遥。
    好きだ。ほんとにほんとに、遥のことが大好きなんだ。愛してる。

    もし俺が、次に目覚めることができたなら、もう一度俺とつきあってください。今度こそ、遥を幸せにするから。

    遥。今までずっと、ありがとう。

    きゅん

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  3. 「これより故人をお送りします」
    真っ黒な霊安車が私達生徒の前から静かに走り去っていく。
    あの棺の中で眠っていたのが担任の先生だったなんて、信じられない。
    泣き崩れる女子、肩を抱き合う男子。
    私はこの場にいたくなくて、飛び出した。

    先生が事故後に運ばれた病院。病室には花がたくさん飾ってあった。
    先生の鞄を整理していた看護婦さんが、「あら」と手紙を出した。
    「…優、さん宛だわ」
    …私の名前。私は看護婦さんから手紙を取って、夢中で屋上へ走った。

    ─優へ。
    誕生日おめでとう。最近会えなくて悪い。でも俺だって寂しかった。お前の卒業まで耐えられるか不安だよ。
    …大好きだ。愛してる。

    …先生。私の誕生日来月だよ?こんな前から手紙用意してくれてたの?
    涙がとまらなかった。嫌だ先生。何で死んじゃったの?事故とかありえないよ。卒業したら結婚しよって言ったじゃん。バカ。


    ─先生。私も愛してる。

    きゅん

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  4. しまった。約束より20分も早く着いた。
    今日はデート。DKの俺は大学に通う彼女を迎えに来た。
    彼女がいつも暇を潰してる図書室に行くと、いた。でも様子が変。
    「お待たせ」
    ...は?んで男が来んだよ。棚の陰から伺う。
    「僕とつきあってくれない?」
    ざけんな告白かよ。ブチ切れて飛び出しそうになるけど堪える。彼女は何て言うんだろう。
    「ごめん。彼氏いるの」
    ほっと胸をおろす。でも男は食い下がる。
    「誰?」
    「高校生」
    「年下?俺そんな魅力ないの?」
    「魅力の欠片もねーよクズ」
    彼女の口を後ろから塞ぎ、言い放つ。ぎょっとして逃げる男。彼女を離してやるとぷはっと息を吐く。
    「…早すぎない?」
    「早くて助かっただろ。...何迫られてんの?」
    「ごめん」
    「俺来なかったらどーすんの?お前一応女だぞ」
    「…だってあんたが助けてくれるんでしょ?」
    上目遣いの彼女に胸が鳴る。
    …やっぱ年上彼女にはかなわねえ。

    きゅん

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  5. 「お嬢ちゃん喘息持ちなら夜中に出歩いちゃ駄目だよ。彼が来てくれたからいいけどね」
    巡査さんにそう言われ交番を出る。
    「…ごめん。水買いに行こうとしたら薬飲み忘れて」
    声をかけるけど、前をすたすた歩く彼は振り向いてもくれない。彼がこうやって私を無視するのは一番怒ってる時だけ。
    彼の後を追うのに必死で、家と違う方向に歩いてることにやっと気づく。
    真っ暗な路地裏
    「...ちょっと、」
    突然振り向き、私の両手首を掴んでものすごい力で壁に押しつける彼。抵抗する間もなく強引に唇を奪われる。
    「…はっ…」
    糸を引いて離れた唇の奥に、彼の怒った目が見えた。
    「…ざけんな。お前に何かあったらって気がおかしくなりそうな俺の気持ち分かってんの?」
    抱き締められて感じた彼の鼓動の激しさに、我慢してた涙が零れる。
    「…ごめ、なさ」
    「泣くな」
    涙をぺろりと舐める。
    「…愛してるってはっきり言わなきゃ分かんねーかな」

    きゅん

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  6. 「ねー聞いてる?」
    「あ?聞いてるって」
    「嘘つき。返事上の空じゃん」
    んっとにもう、と隣で口を尖らせる彼女。受験の夏休みなのに呑気に俺の大学に遊びに来る能天気な奴。こっちは論文でてんてこまいだっつーのに。
    「じゃ今の話復唱して」
    「受験の夏にほいほい遊びに来てすいませんでした。明日から死ぬ気で勉強します」
    「殴るよ?」
    本当に腹パンがきた。でも痛くない。彼女が本気で怒らないのをいいことに俺は課題を続ける。
    「…おっ、お前の彼女?」
    声をかけてくるサークル仲間。
    「こんな可愛い彼女いたのか!高3?」
    「はい、ここ受けたくて」
    「いーね、あ、このパン美味いよ」
    すぐ立ち去ると思ったのにずっと居座り続ける。苛々する。
    やっとどっかへ行った。
    「…あの人優しいね、どっかの誰かとは大違い。買い物誘われたけど本当に行こっかな」
    それを聞いた瞬間俺は彼女の唇を奪っていた。

    「…頼むから、行かないで」

    きゅん

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  7. ピロンと鳴った通知が彼からならいいのに。でもスマホを見るとほんとに彼からで。
    ─今から会いたい─
    寒空の下公園に向かうと、マフラーを巻いた彼がいて。
    「…転校するってマジ?」
    「聞いたんだ。ほんとだよ」
    「…あそ」
    沈黙が続く。耐えきれなくなり私は口を開く。
    「私あんたのこと好きだった。幼馴染でよかった。…さよなら」
    「…は!?おい待て」
    踵を返して走り去る。視界が涙で滲む。でもすぐに後ろから腕をがしっと掴まれて。
    「…ッ離して」
    「ざけんな、言い逃げかよ」
    ─やめて。私だってこんな別れ方したいわけじゃない。
    「どんだけ遠いか分かってる!?もう会えないかもしれないんだよ!!」
    「どんだけ遠くても好きなら関係ねーだろ!?」
    「…んなこと、言ったって…ッ」
    我慢してた涙がぽろっと零れる。
    「…あー、っとにもう…」
    鼻を啜った彼の腕が、私を優しくかき抱いて。

    「…いんじゃね?遠恋ってヤツも」

    きゅん

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  8. きゃはは、と甲高い笑い声。
    「じゃね、また明日」
    ばいばい、といかにも親しげに手を振って去るハイヒールの彼女。茶色く染めた髪が揺れる。
    「…何、覗き見?趣味悪」
    本棚の陰に隠れてた私の肩に、とんと顎を乗せる彼。
    「覗きじゃなくて偵察。これで浮気確定ね」
    声が震えないよう気をつける。ああもう最悪だ。まさかほんとに浮気してたとか。
    「…浮気だとしたら何?」
    「別れるに決まってるでしょ」
    「…ふーん。自分こそクラスの男といちゃついといて?」
    「っ私いちゃついてなんか!」
    振り向いた瞬間、頬をむぎゅっとつねる彼。その目はあきらかに怒ってる。
    「…自分のこと棚に上げんな。俺の気持ちやっと思い知った?」
    …ちょっと待ってよ。…まさか、
    「嫉妬?」
    「…っあ?てめ調子のってんじゃねーよ」
    そう言いながら顔はまっかで。
    胸が疼く。
    「…かわいい」
    「…、おまえが悪い」
    うなじに手を回し、強引に唇を奪った。

    きゅん

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  9. ドンッ
    「…きゃーっ咲良、大丈夫!?」
    ...最悪だ。まさか球技大会のバスケの決勝で、プッシングされて倒れるなんて。
    やばい、足首腫れてる。早く手当しないと治癒が遅れる。だけど大事な決勝戦で、バスケ部の私が棄権するわけにいかない。
    なんとか立ち上がり、「復帰します」と言おうとした私を遮ったのは、
    「咲良先輩のばか、こんな腫れてんのに」
    後輩の彼だった。
    いつも仔犬みたいに目を輝かせて人懐っこい彼が、真剣なまなざしで私の足首を見つめている。彼の指がそっと触れると、なぜか体がびくっと震える。
    「…保健室行きますよ」
    「…っやだ。決勝だもん」
    彼はため息をついて、
    「…嫌がるなら実力行使です」
    私をひょいと抱きかかえた。
    彼の二の腕の筋肉が、思ってたよりずっとたくましくて。力強い彼の体に、どきどきも顔のほてりもとまらない。
    「先輩、」
    彼のいつもより低い声。
    「ちょっとは俺にどきってしました?」

    きゅん

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  10. 文化祭、私のクラスは縁日になった。
    どっかの馬鹿野郎が「女子は全員浴衣着てほしいでーす」とほざいたせいで浴衣が強制になったけど、私は執行部の仕事があるからと断った。…というのは口実で、ただ身長が高い私に浴衣なんか似合うわけないから。

    文化祭前夜、私は教室に残り確認をしていた。
    突然ドアが開いてびくっとしたけど、入ってきた奴の顔を見てため息をつく。浴衣がいいとほざいた馬鹿男子。もうちょい言うなら、交際2ヶ月の彼氏…だったりする。
    「ねー明日浴衣着てくんないの」
    「言ったでしょ執行部だって」
    「俺が何のために浴衣って言ったと思ってんの」
    そう言うや彼は、後ろからバサッと紺の浴衣を羽織らせた。私の抵抗もむなしく、帯まで締められる。
    「やっぱいいお前の浴衣。萌える」
    「お世辞言うな。明日は絶対着ないから」
    「…うん、明日は着ないで?」
    彼の手が、頭を撫でた。

    「…他の奴にぜってー見せたくねえ」

    きゅん

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  11. 私は2年間、担任の藤堂先生に片想いしている。先生のおかげで、第1志望の大学にも通ることができた。

    卒業式の前日、先生は最後の課題を出した。『このクラスへの思いを好きなだけ書いてこい』
    私はこのクラスが大好きだったから、長々と書いてしまった。さんざん悩んだ末、最後にこう付け加えた。

    Der Mond ist schön.
    先生が昔留学していたドイツの言葉で、『月が綺麗ですね』

    涙の卒業式とクラス会が終わったあと、先生が私のもとに来て、プリントを手渡した。
    「片倉だけに、特別課題。提出はいつでもかまわないから」と言って。
    私はひとり教室に残り、そのプリントを開いた。
    そこには先生の筆跡でただ一言、こう書いてあった。

    Du kannst sterben.

    私は、藤堂先生がまだ残っている職員室にむかって走り出した。

    Du kannst sterben.
    ドイツ語で、『死んでもいい』。

    きゅん

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  12. 『放課後、体育館裏にきて』
    クラスの西島に、そう書かれたメモを渡されたのは昼休みだった。
    なんだろう、委員会の話なら教室でいいのに…

    ...なんて思ってたら、
    「…おれ、ずっと朱理さんのこと気になってたんだ。だから、…もしよければ、その…つきあって、くれない?」
    これが、告白ってやつですか!?
    突然のことすぎて、頭がついてかない。
    あたふたと言葉を選んでいたら、
    カツンッ
    いたっ!
    頭の上になにかが落ちてきた。ふりあおぐと、二階の窓から、幼馴染の大晴が身を乗り出していた。
    「ちょっと大晴!?」
    「あーわり、コーラのキャップ落とした」
    「おい大晴、なんでそんな所からキャップ落とすんだ」
    「…あ?きまってんだろ」
    怒り口調の西島に、大晴はドスのきいた声で叫んだ。

    「好きな女がほかのやつに告白されてたら、気分悪くなって当然だろーが」

    きゅん

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  13. ズダーンッ
    「翔太先輩!?大丈夫ですか!?」
    「……いって」
    「足首腫れてる。保健室いきますよ」
    バスケ部のマネである私は、無愛想で有名な翔太先輩を無理やりひきずって、保健室につれてきた。
    「……大丈夫っつってんだろ」
    「悪化してバスケできなくなったらどうすんですか。大人しく治療されてください」
    私は翔太先輩の足首をテーピングした。
    「……さんきゅ、紗奈」
    翔太先輩が、初めて私の名前を呼んで、保健室から出ていった。
    顔が熱い……

    「なにしてんのー紗奈」
    ベッドのカーテンが急に開いて、幼馴染の快斗が顔を出した。
    「わっ、快斗いたの?」
    「なにー、俺いたらじゃま?……つか、紗奈って翔太先輩のこと好きなの?」
    「……は?」
    「紗奈、俺も手当てして」
    「……怪我したの?熱あるの?」
    快斗の顔が、ほんのり赤くなっていた。

    「紗奈が先輩といるの見てたら、胸が痛い」

    きゅん

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  14. わたしのクラスに、転入生がきた。
    京都からきた彼、遥希くんは、わたしの後ろの席になった。

    授業中、後ろからメモを手渡された。
    『すまへん、消しゴム貸してくれん?』
    関西弁のそのメモに、ちょっとだけきゅんとした。
    『いいよ!あとで返してね』
    『ちゃんと返すから安心せえ。おおきに』
    それから、わたしと遥希のメモのやりとりがはじまった。

    いつものなんでもないやりとりがすごく嬉しくて、使いきったメモの紙切れはぜんぶ引き出しにとっておいた。
    でも、1ヶ月後、席替えになってしまった。
    机をガタガタと移動させていると、すれ違いざまに、遥希が机にメモをそっと置いた。


    『凜、すいとーよ』


    『すいとーよ』が、『すきです』という意味だと分かったのは次の休み時間だった。
    わたしは返事を書いて、遥希の机に置いた。


    『よろしゅうお願いいたします』

    きゅん

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  15. 今日は体育祭。
    どのクラスも優勝めざして燃えている。

    男子の借り人競走がはじまった。

    わたし、杏里のクラスのアンカーになったのは、和馬。陸上部のスプリンターで、めちゃくちゃ足が速い。
    和馬は三位でバトンを受け取り、急いでくじを引いた。
    そこになんて書かれていたのかわからない。だけどお題を見た和馬は、ちょっと悩んでから、こっちのほうへ走ってきた。

    えっ、なんで?わたしがお題の人なの?

    和馬は、わたしにむかって手を差し出した。

    わたしはどきどきしながら和馬の手をとり、ゴールまで走りきった。
    結果は一位だった。

    「和馬。どんなお題だったの?」
    あとで聞くと、和馬はその紙をくれた。

    『好きな人。または、大切な人』

    「……杏里のこと、連れていきたかった。好きだ、杏里」

    きゅん

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  16. わたし、綾乃には、つきあって1ヶ月の彼氏がいる。名前は颯太。
    いつも無表情で無愛想で、告白してOKをもらったときは夢なんじゃないかと思った。
    けれどいまだに彼は、「好き」だとも「一緒に帰ろう」とも言ってくれない。
    わたしは親友の真子に頼んで、颯太にヤキモチをやかせる作戦に出た。

    「綾乃!隣のクラスの七瀬くんが、綾乃呼んでって言ってたよ!」
    「うそー!あのかっこいい七瀬が!?」
    「まさかの告白かもよ?」
    「やだー、そうだったらどうしよう!?」
    わたしと真子は、大声で白々しい演技をしながら颯太をちらっと盗み見た。あいかわらず彼は、無表情で本を読んでいる。
    廊下に出て、はあ……とため息をついた。
    「やっぱり、あいつにヤキモチやかせるなんて無理だ」
    「……ふーん、そういうことね」
    突然、背後から颯太の声がした。

    「……作戦なら大成功でしょ。……妬いた……」
    後ろから、ぎゅっと抱きしめられた……

    きゅん

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  17. 「……やべ、千紗センパーイ」
    「なに、明日翔」
    「足首腫れてる」
    「……はあ?馬鹿なのあんた。なんで今まで気づかないの?とにかくそこ座って」

    サッカー部のマネージャーを務める千紗と、その後輩でスタメンである明日翔。

    「……ゲ、木の枝なんか足首にくくりつけんの」
    「今日保健室の先生いないから、応急処置。挫傷してたらまずいから、早く病院に行って」
    「……今日のこの部活は?」
    「はあ?その足で練習するつもりなの?馬鹿なこと言ってないで、今コーチに電話するから……」

    コーチに電話をかけようとした千紗の手から、明日翔が携帯電話を取り上げた。

    「ちょ、なにすんの返して」
    「……病院行くとかダセェことさせんなよ」
    「……ダサいもなにも、行かなきゃ……」
    「好きな人ん前で、んなカッコわりぃことしたくねえよ」

    明日翔の顔が、ぐっと近づいた。

    「オレ、センパイの前ではかっこつけてたいの」

    きゅん

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