ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「おい、菓子出せよ」

    「持ってません」

    「おいってば」

    「あなたみたいなパツキンに渡す菓子はない!!」

    わたしの、日常は、こんな感じだ。

    望んでもいないのに、高校生の不良に絡まれ、お菓子をねだられる。

    面倒くさい、どっか行ってください。切実にそう思ってるのに伝わらないのがもどかしい。

    「なんでわたしのお菓子なんですか!わたしのお家の買えばいいでしょう!!」

    そう、わたしの実家はケーキ屋なのだ。

    だから、お菓子が食べたいのなら家で買ってくればいい、それなのに――

    「い~や~で~す~~~」

    こいつは譲らないのだ。

    善良な中学2年生であるわたしの日常をぶち壊してまで、わたしのお菓子が食べたいというのだ。

    「おい、どうせ作ってきてるんだろ?」

    こんな奴に見透かされているのが嫌で、わたしは、

    こいつの顔に向かって、マドレーヌを投げつけるのだった。

    きゅん

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  3. 《その2》

    「あ、あの、冗談だってわかっていても、少し、びっくりしました」


    まず、そう送る。

    そして次に、もしも本当だったら、なんて、うぬぼれじゃないけれど、こんな言葉を書く。


    「わたし、くせが強くって、性格もあんまりよくなくて、そんなこと言われる機会が少なかったので、嘘だって知っていてもうれしかったです。ありがとうございました」と。



    なんだか、ある意味では忘れられないエイプリルフールになりそうだと、


    わたしは苦笑しながら、

    送信ボタンを押すのだった。


    (事実だよ~~!!学校がなかったから通学路ではないけれど事実だよ~~‼‼
    たすけて‼こういう嘘は心臓に悪いと思います!!)

    きゅん

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  4. 《その1》
    突然、朝の通学路で、先輩からのメッセージに気づいた。
    いつの間に来ていたんだろうか。あまり携帯を開く習慣がないものだから、まったく気が付かなかった。


    「いままで君に、二つ、嘘をついていたことがあります」


    文面の始まりは、それ。

    続いて、本当は彼女とは2年も前に別れ疎遠になっていたこと、わたしのことが好きであったこと。わたしに既に彼氏がいるから、その彼と幸せになってほしいという言葉。そして最後に、これからも仲のいい先輩後輩として宜しくしたいということが書いてあった。

    急なそれに、意味が、分からない。

    実は1カ月も前、ほんのつい最近付き合うことになった後輩に、いたずらでエイプリルフールに告白しようなんて言うことは話した。
    しかし自分が実際にやられると、本当の告白にしか見えなくて、ドギマギする。

    きゅん

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  5. なんだかその瞬間胸がふわふわとして、嬉しくなった
    ……が、あいにく、今の私は驚きが8、いや、9割なので、頬に赤みがさす暇さえない
    OKだと、頭の中で答えは出ているのに、驚きのあまり声が出なかった
    「あ、あの、べつにその……付き合わなくてもいいので、その、い、いままで通り居たいなって」
    後輩の声に、そんなわけない、と頭の中で返事し、いやこれでは伝わらないじゃないかと声を出した
    「あ、えっと、その」
    恥ずかしくて目が合わせられない
    「その、付き合いたくないとかじゃ、なくて……その、嬉しい、ので、あの——」

    「この場合なんて言うのが正答ですか!!?」
    「俺に聞かないでくださいいよ……」
    「うッ。えと、あの、つきあいたい、です」

    その瞬間嬉しげにほころんだ顔の後輩を、わたしは忘れないだろう

    「先輩」

    もう一度、後輩に呼ばれ、そして――

    「大好きです」

    嬉しそうに、頭をなでられたのだった

    きゅん

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  6. 《また長いので二部編成》

    「先輩」

    先ほどまでじゃれ合っていた彼に、ぎゅっと抱きしめられて狼狽する。
    何が起きているのかわからないままでいると、脇をこしょこしょとくすぐられ、思わず身をよじって抜け出す。
    ちょっと惜しいとか思っていない。思っていないのだ。
    後輩の後ろに回り込んで背中をぎゅっとつかむと、突然彼の細く、長い腕が回りこみ、がしっと、脇に挟み込まれた。
    えっと、また、なにかな??
    そう思っていると、今度は頭をなでられる。
    いつもはそんなことをしない、いじわるな彼にされて、少し狼狽えた。


    「え?あ、あの!!?後輩くん!!!?」


    そういう私を見て笑いながら、もう一度頭をくしゃくしゃと撫でられ、そして、強い瞳で見つめられた。


    「あの、先輩。俺と付き合いませんか?その、恋人的な意味で」


    う、うぇぇええ!!?

    きゅん

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  7. 《その4》

    ここで?ってどういうこと?ココって保健室だよね?
    「坂山さん、君のことが好きです!」
    「俺もだ!坂山ちゃんのことが好き、付き合ってください!!」
    「ぅ、ぇ、ぇええ!??」
    「「返事はまだでいいから」」
    「だって俺のこと好きにさせるからね」
    「は?馬鹿なの?」
    そんなの、絶対にさせないから。
    お互いに睨みあう先輩たちを前にして、顔を赤面させながらも、
    とりあえず早くけがの手当てをしたいと思う私がなんとも当事者意識が足りていない気がする。
    こうして、私と先輩方の奇妙な恋物語が開始を告げたのだった――。

    (使えるか分かりませんが、これを元ネタとして自由に使ってくださっても結構です。ただし使われた場合は元ネタとして明記して下さるとうれしいです)

    きゅん

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  8. 《その3》
    「坂山さんが、自分を大切にしないからこんなこと、してるんだよ?」
    「た、大切って!!?いや、私はただ、先輩の手を煩わせたくなくって――ひゃん!」
    また耳を舐められる。今度は反対側を。
    「ねえ、坂山さん。俺さ、坂山さんのこと「ストーっぷ!!」」
    もう目が回りそうな私の意識をこちらに戻したのは、園芸部副部長である、先輩の声でだった。
    「幸弘、なに抜け駆けしてんの?俺赦さないよ??抜け駆け禁止って言ったよね?」
    「だって利晃、坂山さん全然自分のこと大切にしないからイラッときちゃって」
    ? ???
    疑問符をいっぱいに浮かべる私の頭を、あのバカ力がごめんねと言いながら副部長が撫でる。
    え?な、なに??
    そう思っていると、副部長が妙案を思い付いたとでもいうように、ならここで言えばいいじゃん、と口にした。

    きゅん

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  9. 《その2》
    それにしてもさ、え?なんで??って感じです。
    脳内警報が鳴り響いている気がする。
    そもそも壁ドンは美少女にやってこそ需要があるものだと思うんです!!だって私、ただの地味な平凡女子ですよ?補正はどうした、補正は!この世界にそう言った補正はないのか!!?
    狼狽える私が面白かったのか、先輩が私の耳をぱくりと、美味しそうについばんだ。
    ひ、ひえええ!
    恥ずかしさで死にそう。
    きっとこれは、悪い夢(いや、憧れている先輩なのだからいい夢なのか?)に、違いない。
    急に保健室に入って、あ~私馬鹿ですね!大した怪我じゃないですし自分で手当てできるので先輩は部に戻られていいですよ!!なんて言った直後腕をつかまれて、保健室の妙にかたいベッドに押し倒されて、今に至る。
    本当になんで!!?
    「坂山さんが……」
    頭がパニックになっていると、すぐそば、耳元で儚げな息が漏れた。

    きゅん

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  10. 《その1 長いので4つに分けます!》
    「うあっ」
    私の体がグラリと揺れて、したたかに地面に打ち付けられる。
    いたい。腰全体を強く打ち付けてしまったらしく、ついでに言うと足もひねったらしく、力が入らない。
    「坂山さん!!?」
    同じ園芸部である先輩が、じょうろ片手に意識を手放そうとしている私に気づき、ふわりと抱きかかえてどこかに連れていく。もう考える意識すら残っていない私は、相手が憧れている、そんな先輩であるということだけに安堵を覚え、意識を手放した。
    ————のが、ついさきほどの出来事である。あら私ったら、一体何をどうしたらこうなるのかしら?そんな風に考えながら、眼前にある綺麗な顔を見つめる。
    私、いま壁ドンされております。
    あれ?こっれて壁ドンでいいんだっけ、呼び方。
    だって私、ベッドに押し倒されてるし――まあいっか!

    きゅん

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  11. 先生に恋をするって、きっと、すごく悪いことなのだろう
    もう私は卒業して、先生も離任して、今日が最後だからって、お見送りの前に、先生に、一度だけ、想いを告げてみようって決意した
    すきですって。
    ずっと言葉に出来なかった想いを、文字に綴って
    「先生」
    手紙を、リュックから取り出して、人気のない、科学室前の階段で手渡した。
    「あの、い、いま、読んで……ください」
    震える手と、私の顔を見て、きっともうすべて察されていると思いながら、それでも勇気を振りしぼる。先生の手が封を切り、便箋を取り出し、広げ、その目が、文字を辿るのをじっと見つめながら。
    読み終わった先生に、何とか言葉を紡ごうと口を開ける私の口を、その大きくて、すこしかたい人差し指で塞ぎながら、先生は口にする。
    「続きはキミが大人になってからね?」と
    そのまま先生は私の頭をポンポンと撫でると、僕も好きだからとだけ言い残して、階段を下りていった

    きゅん

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  12. 「なあ、これ、ハイ、手紙」
    授業中、幼馴染みで、同クラで、しかも後ろの席という、絶好の(私にとっては不幸な)席で、いつものごとく、彼から手紙を渡される。
    「はいはい、で?今日はだれに渡せばいいの?」
    そう聞く私に、不自然に目をそらしながら彼が言うことには、お前に、つまり私にということだった。今読んでしまおう。あいつからは後で読めと言われたが、それを守る義理なんて私にはないのだから!!丁寧に手紙の封を切る。中からは、あいつらしい、水色の便箋が入っていた。
    「なにこれ……」
    手紙の内容を読んでいく。
    それを読むたびに、顔に血が集まっていくのがわかった。
    あまりの恥ずかしさに机に突っ伏して顔を隠しながら、あいつの背中をぺシぺシとたたく。
    「……ばか」
    そう口にしながら、ノートの切れ端に返事を書いて見せた。
    『私も好き』
    前の席、だんだん耳が赤に染まっていく彼を、わたしは満足げに見やるのだった。

    きゅん

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  13. 《その3.長くてごめんなさい!!》
    不意打ちのその攻撃に顔に血が上っていくわたしを眺めながら、後輩くんはいつもの調子に戻って、悪戯気に笑うとこう言った。
    「センパイ、センパイと俺、付き合いませんか?」
    「え!?」
    また、顔に血が上っていくのがわかる。
    彼のその様子から、嘘だろうな、と心が告げているのに。
    「センパイ、うそじゃ、ないですよ?」
    「うそだよ」
    「じゃどうしたら信じてくれますか?」
    まるで少女漫画みたいにわたしをなでながらそう聞いてくる彼に、聞こえないとわかっていながらもかすれた声で『名前を呼んでくれるのなら』と口にすると、どうやら聞こえていたようで、はにかみながら、わたしの名を口にした。
    「次は勿論、センパイの番、ですよね??」
    無邪気にそうたずね、頬を赤らめる後輩の名を、わたしは――
    「————くん、あの、すきです!」
    そっと、耳元で、囁くように呼び、告白をしたのだった。

    きゅん

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  14. 《分けて投稿その2》
    呼ぶことは、たぶんないと思うな。
    なんていう、かなしいかなわたしの本心を隠して、
    「え~いつだろ?わたしにもわからないなあ」
    その瞬間、顔をくるしげに歪められて、内心、戸惑う。
    わたし、いま、後輩くんと仲が悪くなるようなことをしただろうか?
    いつもと同じ、変わらない態度で、声で、やり取りだったはずなのに。
    なんとかこの場の空気を換えたくて、わたしはとりわけ明るく、声を発する。
    「そういう後輩くんこそさ、いつわたしのこと名前で呼んでくれるの??」
    わたしの問いに、後輩くんはまた顔をゆがめると、一つ、ため息を吐き出して、わたしの頭を軽くなでる。
    そうしてもうどうとでもなれとでもいうような大きなため息をもう一つ吐き出すと、二パット笑ってわたしの髪をなで始めた。
    初めてされるその行為に、自然と頬に血が集まってゆく。

    きゅん

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  15. (ちょっと1000文字近くなってしまったので分けて投稿って大丈夫かな?)
    「センパイ」
    放課後の図書室。
    聞きなれた、声が響く。
    「後輩くん、どうしたの?」
    この時間だけが、わたしと後輩くんの唯一の接点。
    「後輩くんって呼び方、どうにかなりませんかね……」
    「いつか、見分けをつけなくちゃいけなくなった時に名前で呼ぶよ~」
    この時間以外は、赤の他人でしかないのだから、わたしだけの、わたししか使わない呼び方をして、彼と一緒に居たい。
    だからこその、後輩くん、だ。
    まあそれには別の意味もあって、もうご察しの通り、わたしは彼が、後輩くんのことが好きなんだけれど、そんな彼と、恋仲になることもできないだろうという、自分なりの、自分を戒めるための意志の表れだったりもする。
    「いつ、名前で呼んでくれるんですか」
    そう聞く後輩くんに、今日はやけに食い下がるなと思いながら、適当に答える。

    きゅん

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