ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「ん~…」
    寝不足で、保健室で寝させてもらっていた。ゆっくり意識が浮上する。
    起きなきゃと思って、体が重いことに気がついた。
    「!?」
    目を開けると、どアップで先生の寝顔が映った。
    「せ、先生…?…ねてる」
    腕は私の周りに回された状態で。どうりで重いと思った。
    ベッドの周りには勿論仕切りがされてるけど、教師が生徒を抱きしめて寝ているというのはいかがなものか。
    先生の顔を眺める。
    「…かっこいいなぁ」
    寝ててもイケメンなんだから。
    けど寝顔は起きてるときよりも幾分か幼くて、かわいい。
    くすりと笑うと先生が声を漏らすから、私は目をつぶって寝たふりをした。
    「…んぁ、やっべ。めっちゃ寝てた…さき、咲」
    呼ばれても起きないでいると、先生ははぁとため息をついた。
    「ったく、可愛い顔しやがって。寝ぼすけさんは襲うぞ?」
    ちゅっと、額に触れる感触。
    真っ赤になる私に先生がくすりと笑った。
    …性格わる。

    きゅん

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  3. 待ちに待ったバレンタインデー。何度も練習してから作ったマカロンは、友達にも好評だった。
    放課後。私は下駄箱で立ち尽くしていた。鞄の中に一つだけ、残ったマカロン。
    これを田中くんの靴箱に入れるか入れないか、それが問題。
    「ああ~どうしよ…」
    直接渡す度胸がなくて、下駄箱に入れるなんて卑怯かな。迷惑かな。
    でもせっかく作ったから、食べてもらいたいな。よし、入れよう。
    ふー、と深呼吸をして、田中くんの靴箱を開け、マカロンを入れるーー「あれ、早瀬?」
    「たたた田中くん!?」
    「何してんの?」
    尋ねる田中君は笑顔で、私は固まった。まだマカロン手に持ったままだーーよし、このまま逃げよう。
    「何でもないよ!じゃあね!」
    くるりと振り向いて走り出した。
    が、後ろから手を引っ張られつんのめる。
    「待って」
    私の手を握る田中くんは、真剣な面持ちだった。
    「それ、俺用だよね…欲しいんだけど」

    きゅん

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  4. 「ん~…」
    「なに唸ってんの」
    放課後、空き教室。席で一人友達に借りた少女漫画にらめっこしている私を、幼なじみの健が覗き込んできた。
    「いや、恋愛漫画で壁ドンとか顎クイとかってよく出てくるけどさ、ぶっちゃけ現実でやられると引くよなって思って…」
    今更だな、と健は笑う。そして、悪戯を思いついたような顔になった。
    「本当にときめかないかやってみてやろうか?」
    「は?」

    私の顎に当てられた冷たい指。
    上を向かされたと思うと同時に、健の顔が驚くほど近くに来た。それはまるで、少しし動けば唇だって触れ合ってしまいそうなほど。

    「~~~っ、馬鹿、ちかい!!」
    反射的に押し返してしまった。
    心臓がバクバク言っていて、逆上せそうな程熱い。
    「ときめいたか?」
    ニヤニヤする健の顔を、直視できなかった。
    「…うっさい」

    だから私は、気付かなかったのだ。
    健も、耳を真っ赤にさせていたことに。

    きゅん

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  5. 幼馴染の遊と二人っきりの、生徒会室。

    「萌。トリックオアトリート、お菓子くれよ」

    けれど突然そんな事言われても、

    「はぁ?持ってないよ、そんなの」

    と答えることしか出来ない自分が残念だ。

    「じゃあイタズラする」

    「はいっ?」

    「萌、こっち向いて目閉じて」

    「えぇ~」

    ホントにするんだ…嫌な気しかしないんだけど。

    でもちょっとキラキラした目をしてる遊に逆らうことなんて出来なくて。

    仕方なく目を閉じると、冷たい何かが顔を走る感覚がした。

    「へっ!?何してんの!?」

    目を開けると、遊の手には赤いマーカー。

    「はは、おもしれぇ」

    「顔に書くとかありえないっ!サイテー!!」

    誰かに見られたらどうするの。

    ヘラヘラ笑う遊を睨みつけて、トイレに走った。

    顔を洗おうとした時に、鏡に映った自分の顔が見えて、思わず顔が熱くなる。

    頬に書かれた赤い字。

    『お前が好きだよ』

    きゅん

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  6. 「なーなー由佳」
    下校中、隣を歩いていた琉斗が声をかけてきた。
    「なに?」
    「お菓子ちょうだい」
    「は?いきなりなんで」
    今日ってこいつの誕生日だったっけ?
    いや、そんなはずない。いくらズボラな私でも、幼馴染の誕生日くらい覚えてるし。
    「トリックオアトリート。お菓子くれなきゃイタズラするぞ☆」
    真顔で語尾に星をつけて言ってくるものだから、思わず吹き出した。
    そっかなるほど、ハロウィンか。
    「ゆーか。おーかーしー」
    笑い転げている私を、琉斗は急かしてくる。
    「そんなの、急に言われたって持ってないし」
    ようやく笑いを止めてそう答えると、突然腕を掴まれて、ぐっと引き寄せられた。
    「きゃっ!?」

    前髪をかきあげられて、額にそっと触れた何か。

    「!?!?」
    驚いて、私の額に口付けたその人を見上げると、彼は少し顔を赤くして、そっぽを向いて言った。

    「お菓子くれなきゃイタズラするって言ったろ」

    きゅん

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  7. 来年には私も、受験生。

    高2の間にオープンキャンパスに行って来いと母に言われるがままに、やってきたけど。

    「大学、すごい…!広い…」

    図書館に入って、あたりを見回す。

    専門書がほとんどみたいだけど、少し上に気になる題の本を見つけた。が。

    「んーっ、もうっ」

    届かない…!

    こんなに自分がちびなことを恨んだ日はない。

    すごい気になるけど、諦めるか…

    じっと本を恨めし気に見ていた時。

    すっと、長い腕が伸びてその本を取った。

    「はい、どうぞ」

    本を渡してくれた人の顔を見て、心臓が跳ねた。

    「北野先輩!?」

    北野先輩は高校の部活の先輩。確かにこの大学だった!

    「あ、南ちゃんじゃん」

    覚えててくれたんだ…!

    北野先輩、ニヤッと笑って。

    「南ちゃんもここ来るの?」

    その後、私の耳元で囁く。

    「南ちゃんの入学、楽しみにしてるよ」

    とりあえず、心臓が爆発しそうだよ。

    きゅん

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  8. 「さーくら、水飲ませて」
    「へっ?嫌だよ」
    部活休憩中、幼馴染の大輝がくっついて来た。
    大輝はよく私に甘えてくるけど…正直顔はすごいイケメンだから、この距離はドキドキする…。
    「ねっ、お願い」
    大輝は目を閉じて口を開けてきて───ううっ!破壊力!!

    「大輝、それくらい自分で飲めよ」
    声をかけてきたのはもう1人の幼馴染、これまたイケメンの零。
    「ちぇー、せっかくさくらに飲ませてもらえるかと思ったのに…」
    「へぇ、どうやって?水入れすぎて零すがオチだろ」
    クールな零と甘えん坊な大輝の和やかな会話をニコニコしながら聞いていると、突然零の顔が近づいてきた。
    !?
    思わず目を閉じると───

    顔にふっと息が吹きかけられる。
    「大輝ばっかり構うなよ」
    耳元での低い声にドキッとする。
    「やだよ、さくらは俺のもの、零にはやんない」
    二人に板ばさみにされ、今日も私のドキドキは止まらない。

    きゅん

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  9. 「とーまくん、いるかな…」

    理由はない。けれど、無性に顔が見たくなってしまって、昼休み、私は1年生の教室に来ていた。

    たしか彼は、1年5組だったと思う。

    えーと、3組、4組、5く…

    …いた。

    教室の中で、可愛い女の子の頭に手を乗せて。

    見せるのは私だけにして欲しかった、輝かしい笑顔を見せて。

    心臓が、ぎゅうっと痛んだ。

    「…先輩…?」

    とーまくんの声にドキッとする。

    ああもう。私、どうしてこうも間が悪いのかな?

    耐えきれなくなって、その場から走りだす。

    「先輩、待って!今のほんとに違うから!!」

    後ろから追いかけてくる足音はどんどん大きくなって───ふわっと、背中が温かくなった。

    「今のは、背比べしてただけなの。俺が見てるのは、先輩だけだから」

    「ほんと…?」

    見上げると、とーまくんは恥ずかしそうに笑った。

    「先輩が可愛すぎるせいで嘘なんかつけないから」

    きゅん

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  10. 好きなの、好きなのに───どうして、素直になれないんだろう…?

    「絵里沙、お前さっきのどういう事だよ」
    後ろから、遥斗が追いかけてくる。

    つい口走ってしまったのだ。

    『あの子、遥斗にすっごいお似合いだよ!いい加減くっつきゃいいじゃん!』

    嗚呼…彼女でもないただの友達の私にこんなこと言う権利なんてないはずなのに…でも、嫉妬してしまったのだ、遥斗に構うあのかわいい女の子に。

    「どういうってそのまんま!どうせあの子と両思いなんでしょ、着いてこないでよバカ遥斗っ!!」

    嘘だ。
    両思いなんて嫌だ。二人にくっついて欲しくなんてない。

    ───だって、私は君が好きなんだもん。








    ───ふいに、背中が温かくなった。

    耳元で聞こえる、低めの声。

    「いつ俺が、あいつが好きだって言ったよ」

    「え…ちがう、の?」

    「ばぁーか…変な勘違いしてんなよ、この鈍感」

    きゅん

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  11. 最近漏れ聞いた会話。
    『ね、蓮様が○○さん呼び出したらしい』
    …なにそれ。
    『え、なにそれ!蓮様って彼女いたよね?あの、幼馴染だからって威張ってる』
    『丸内仁香でしょ?蓮様も悪趣味とは思ってたけど、やっと別れるのね』
    私、そんな風に思われてたの?
    丸内仁香は私で、蓮は私の幼馴染で彼氏。
    最近蓮とあまり話せないとは思ってたけど…

    「丸内さん、好きです。付き合って」
    放課後。前にはクラスの男子。
    「私、彼氏いるから…」
    「でも、別れるんだよね?噂で聞いた」
    迫ってくる彼。
    その瞬間。
    「誰が別れるって?」
    ぐいっと後ろから抱き寄せられ、抱きしめられた。
    「、蓮!?」
    蓮は一睨みで男子を追い払うと、そのまま耳元で囁く。
    「何他の男に告白されてんの?」
    「、蓮だって女子呼び出したって…!」
    「ばーか、あれは最近お前に絡んでるらしいから注意しただけ。どの分際で人様の大事な彼女に絡んでんだよってな」

    きゅん

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