ようこそゲストさん
「教育実習、どう?大変?」
2歳年上の幼なじみ、順くんが私の学校に教育実習に来ると知った時は、本当に驚いた。
幼なじみと言っても、昔よりも顔を合わせる機会は減っていた。だから、たった2週間とは言っても同じ校舎内に順くんがいるんだと思うと、嬉しくて仕方なかった。
そして放課後の廊下でばったり遭遇。今日の私はものすごくツイている。でもあくまで、ただの幼なじみを装う。
ちょっとだけ、澄ました顔なんかして。大人っぽくなったと、少しでも思ってほしくて。
「まあね。でも大変なのも含めて楽しいよ」
「教えるの上手だもんね」
「昔は結衣にもよく教えたよな。教えるというより、半分は俺が結衣の宿題やってたけど」
「だってそのほうが早く終わるから効率いいでしょ」
それは言い訳、と、順くんは手に持っていた教材でぱこんと私の頭を叩く。
「変わらないな、結衣は」
甘くて苦い、私の恋する人の言葉。