あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (汐見 夏衛/著)レビュー

★★★★★

ネタバレ

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

「俺がいるから」
「百合、もう泣くな」



戦争中の世界、私は知らない世界、見たことのない世界だけど、リアルな描写に引き込まれて、百合目線で紡がれて、現代を生きる私の気持ちを代弁してくれる物語でした。


「愛する人たちを守るために、俺は死にに征くよ」
「生き恥ってなに?生きたいと思うのは、恥ずかしいことなんかじゃない!」

片道分の燃料と爆弾だけを積んで、死に征く覚悟をした特攻隊員の彰と真っ直ぐな百合との物語が心に突き刺さりました。

百合と彰のように、愛する人のそばにはいられない、愛する人と永遠に別れなければいけない時代、罪のない人の命が不本意に奪われる時代は二度ときてほしくない、と強く思います。

ここまで感情移入させられて、何度も読み返した物語はないです。ふたりの別れの苦しさ、温かさ、優しさを感じられる作品、この時代に生まれた人に読んでほしい作品、そしてずっと大切にした作品です。

結星そらか
(2020/02/13/15:15)