だから私は、明日のきみを描く (汐見 夏衛/著)レビュー

★★★★★

ネタバレ

切なく、爽やかな三角形。

遠子と遥は同じ人に恋をしている。その相手は、棒高跳びの選手、彼方くん。
遠子はかつて自分を絶望から救ってくれた遥のために、自分の想いを消して彼女の恋を応援すると決めた。でも彼への想いはどんどん膨らんでいく。

だから、描く。一生懸命に高く跳ぶ彼の姿を。言葉にしてはいけない想いを絵に込めて、気持ちをそこに閉じ込める。描いては消して、でもまた描く。ダメだと分かっているのに惹かれてしまう。距離が近づいていく。でも遥を裏切ってはいけない。裏切りたくない。
友情の行方は? 恋の行方は?
丁寧に描かれた遠子の気持ちに共感し、ハラハラする三角関係から目が離せなくなりました。

彼方くんの棒高跳びの場面は、映画のワンシーンのように鮮やかに浮かび上がってきます。彼への思いにあふれた遠子の絵もまた、輝かしく表現されていて素敵です。

切ない話ですが、すがすがしい読後感を味わえます。ぜひご一読を!

aona
(2016/11/19/23:35)