馳月基矢さんのレビュー

さみしがりやのホリデイ
夢雨/著

★★★★★

年齢差、15歳。ふしぎで優しい同居生活。

無精髭を生やして、ぶっきらぼうで、無愛想。
でも、本当はとても優しくて不器用。
柔らかな染め物をする、32歳のおじさん。

学校が楽しくない祈は、不登校を続けるある日、唐突に、デザイナーの母の元部下だというそのおじさんのもとで生活することになった。
高校生にとって日常であるはずの「アッチ側」と、新鮮で居心地がいい「コッチ側」。
2つの価値観を見比べながら、ときに胸の痛くなる出来事に遭遇しながら、祈は自分と向き合っていく。

学校に行かないのはワルイコトなのか、仕事ばっかりの母への正直な気持ちはどこにあるのか、将来が何も見えない不安をどうすればいいのか。
おじさんは祈の疑問に丁寧に答えてくれるわけではないけれど、祈はおじさんのそばにいることで、自分なりの答えを探していく。

後悔は、必ずある。
だから、有意義な後悔を。

でこぼこな二人が少し切なくて、けれどとても爽やかな物語でした。

馳月基矢
(2016/09/23/01:04)