絶対値のゆくえ (aona/著)レビュー

★★★★★

君につき続けた嘘の痛み

両想いだと感じていた。
「君」が志望校を「私」と同じにしてくれて、嬉しかった。
一緒に勉強を頑張った。

「一緒に北高に行こう」

何度も繰り返した、その言葉。
それは、本当は「私」にとって、嘘だった。


一生懸命に受験勉強をする「君」の邪魔をしないために嘘をついてしまう。
その罪悪感と後悔、切なさに胸が締め付けられます。

自分の弱さと情けなさに傷付いた思い出は、今は、胸を抉るようなマイナスだとしても。
将来、絶対値で括ることができたときには、きっと、とても大きな価値を持つのだと信じます。

馳月基矢
(2016/04/09/09:15)