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いっじわるな君
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ヤバい!寝坊したー!!急がないと、先生に怒られるー
湊「あれ?そんなに急いでどうしたの?」
私「いや、湊君こそ急がなくていいの?!遅刻するよ!」
湊「大丈夫!俺、近道知ってるし!なら、一緒に行く?」
私「え?いいの?」
湊「うん!一人じゃ寂しいしねー!」
ま、近道だし遅刻する事ないか!
私「なんか、スゴく暗い場所だね。お化けとかでできそう...」
湊「大丈夫だって!いつもここ通ってるし!」
私「な、なら、いいけど...」
って、あれ?湊君がいない?!え?ど、どこに行ったの?いた!
私「湊君!大丈夫?!」
ギュ
え?湊君?
湊「ごめん...俺、本当は近道なんて知らない。ただ、お前と二人でいたかっただけ...」
私「湊くん...そんな事だったらいつでも言って!私ができることは何でもやるから!」
チュ
私「え、、湊くん///」
湊「ふふ...これで許して。」
許すどころか、好きになっちゃたよ
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──幼なじみって難しい。
近くて遠くて、届きそうで届かない、そんな存在。
「ゆうちゃ.....優心(ユウシン)くん、」
ゆうちゃん、と呼びそうになって慌てて口をつぐむ。
たった今、信号待ちでたまたま一緒になった彼は、いわゆる幼なじみだ。
長谷川優心。
さらさらの髪、綺麗な二重の瞳、高い背。
彼自身の性格は目立つわけじゃないけれど、整った顔立ちと優しい性格で、校内では有名人だったりする。
「...心結(ミユ)、」
声をかけられるまで私に気付かなかったのだろう。
ちょっと戸惑って目を瞬く優心くんは、何だか可愛かった。
「久しぶり、だよね。元気?」
私は彼に、もう一度近付きたい。
勇気を出して声をあげると、彼はふわりと笑って頷いた。
「心結が元気そうで安心した」
あったかくて優しい、ゆうちゃんの声。
──幼なじみって近くて遠くて難しいけどきっと、また近付ける、よね。
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(2018/06/15/21:13)