ようこそゲストさん
今日はバレンタイン。今日こそ先輩に想いを伝えてみせる。よし、頑張れ私。ファイっオォー!!
「朝っぱらから他人の家の前で暴れんな」
ビシッ、と頭にチョップが落ちてくる。
「うわっ痛い!?ちょっと裕也!女の子になんて事を!!」
「俺が思う女の子は、朝っぱらから1人で踊んないし、奇声もあげませーん」
「ちょっと!私は、踊ってないし、奇声もあげてないけど!?」
「…そーいえば。今日バレンタインだな」
「さっすが学年一のモテ男はバレンタインなんて好都合なイベント忘れないよねぇ。今年も、チョコ分けてね」
「…じゃなくて、お前はくれないわけ?」
「え?あぁ!!ごめんごめん、忘れてた。はい!チロルチョコ」
ころん。と、裕也の手のひらにチョコを乗せる。
「…サンキュ、」
ニコッ、と笑う裕也を見つめ、笑顔の破壊力によろめきそうなる。
これは、この感情の名前に気づく少し前のお話。