人見知りのキリストのレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★★ 4.8
★★★★★
2008/07/24 13:05
投稿者: ゆふりか さん
引き込まれました

久しぶりに読んだ小説でもあったので一気に読み切ってしまいました。次回作も期待しています。

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★★★★
2008/07/21 18:01
投稿者: Code49th さん
夢?それとも現?

終始夢の中にいるような作品だった。 読んでいる自分自身がではなく、物語世界そのものが誰かの見ている夢なのではないかと。 一人称視点で紡がれる物語は、紛れもなく主人公である彼の視点だ。 だが、同時に我々が彼の心情を覗き見る神の視点でもある。 そして、彼自身も過去の彼を通して世界を俯瞰していく。 この認識の階層構造が、読む者に得も言われぬ不思議な感覚を与えるのだろう。現実と虚構、過去と未来、刻のうてなから世界を見下ろすことで、彼は私となり私は彼となる。 多少冗長な部分もあるが、単なるフィクションでないこの不思議な感覚の中で迎える結末を、是非あなた自身で感じていただきたい。 なお、著者の方はSFと書かれているが、この感覚はSFはSFでも、故藤子・F・不二雄氏のSF(すこしふしぎ)に近いのではないだろうか。だからこそ広く万人に読んで欲しい作品である。

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★★★★★
2008/07/14 15:36
投稿者: 歯みがき さん
心の凝りをほぐしてくれる作品

とても心に響きました。自分の過去をしっかりと見つめ受けとめること、自分の心にちゃんと耳を傾けること、今の自分の立っている場所を確認すること、そして感謝と許す気持ちの大切さ。すべてとても難しいことですよね。でも、忘れては決していけないことです。落ち込んで荒んだ気持ちになってしまった時、きれいな心を取り戻さなければならない時に何度でも読み返したい、私にとっての『心の鍵』そんな作品です。

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★★★★★
2008/06/16 20:13
投稿者: まるもも さん
読んでも読んでも

つい読み返してしまう―そんな小説に久しぶりに出逢いました。 時空を超えて過去の自分と現在の自分が向き合う…そんなSF小説の王道宜しくハードな文体から滲み出るのは、何と繊細な人間ドラマなのでしょう。 緻密な構成に絡む人間の強さ、弱さ、深さ、尊さ。 そこにいるのは紛れもなく『私』であり『貴方』であり、いつかの『私達』。 読み返していく程、一つ々々の言葉が染み入る様な、救われていく様な、不思議な感覚。 新しい実力者のハードウォームな世界を是非体験頂きたいです。

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★★★★★
2008/06/12 17:27
大人の鑑賞に耐えうる上質なファンタジー

構成・人物共によく叩き上げ研磨された正真正銘の秀作。 SFファンタジーの仕掛けも荒唐無稽にならず、全編を通し齟齬なく世界観を構築している。 要は「んなわけないだろ!」ではなく「あったらいいな」なのである。心地好く、そして切ないのである。 また、主人公キリストの終始一視点で綴られた本作品は、その風貌から苦悩する「俺」たるキリストの心理描写が秀逸、合間にちりばめられたシニカルな状況描写や台詞回しがスパイスとなり、甘過ぎない大人のファンタジーに仕上がっている。 とはいえ、頑なまでに他人との接触を避け続けてきたキリストの心がほぐれ自己再生していく様は、秘められてきた家族愛と相まり、どの世代の共感をも勝ち得る作品である。必読。

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★★★★★
2008/06/11 14:11
投稿者: ゆか9 さん
周到な構成と共感を呼ぶ心理

すべて読み終わったあと、「うーん、よくできてる!」と唸らされてしまう構成が楽しめる一方で、程度や心持ちの軽重はあるにしろ、誰にでも感じたことのある主人公の心境に素直に共感できる。 おすすめの一作である。

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