「……うわっ、やべぇ」
その日の夜。
あたしが黙々と服を選んでいたら、浴室からなんか不吉な声が聞こえてきた。
「洸ー? どーかした?」
今まで静かだったから、なんとなく心配になって、脱衣所のドアをノックする。
「あーアズ……ちょっと助けて」
「え、いや助けてって……遠距離でしか援護できませんけど」
いくら普段あんなに可愛くても、洸は男。
さすがにこれ以上は踏み込めない。
「やっべぇー……コンタクト落とした。何も見えねェ」
「はぁ? コンタクトォ?」
思ったより重大じゃなくて、少し安心。
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