次の日。
緒方くんは、寝坊したせいか学校にいなくて。
朝のこの時間がチャンスだ!!
っということで、環ちゃんと、皐月ちゃんに話すことにした。
「私、緒方くんのこと、好きになってしまいました…」
そう言うと、目をまん丸にして驚くふたり。
「えっ?ちょ……。キミ子?」
「それ、ガチ?……なんであんなバカを?」
ふたりは、この世のものとは思えない出来事を見たような顔をしてる。
緒方くんのことを好きって、現実的には変なことなのだろうか?
「自分でも分からないの。
あんな怖いヤンキーに恋するなんて、思ってもみなくて。
でも……好きだと思う」
コンプレックスの塊の私を、好きと言ってくれた。
恋とか、そういう意味じゃないと思うけど、
私はすごく嬉しかった。
あの無邪気な笑顔が、たぶん好き。