いつもと同じ、学校の放課後。



私は昨日も日誌を途中で放棄してしまったため、今日も同じように授業が終わって書き始めていた。



でも昨日と違うのは、隣の席に座ってる彼が、すごくご機嫌な顔で私を見つめてくること。



私は視線に耐えられず、声をかけた。




「あの……緒方くん……」



「ん?」



いや、そんなニコニコ笑顔で、「ん?」なんて言われても…。



すぐ後ろで田中くんが、ものすごく迷惑そな顔してるんですがっ!




「そこ、田中くんの席だよ?」



緒方くんは、最後の授業が終わった途端にこっちにやって来て、まだ板書している田中くんをどけてその席に座ったのだ。



「は?ハム子の隣は俺のだし」



当然のような顔でそんなことを言うけど、いやいや、意味が分からない!




「あの、緒方くん?
田中くんがノート書けないから……ね?」




「……うるせーな。今まで離れてた分、ちょっとでもお前の傍にいたいんだよ」




……うっ。


いきなりそんなこと言うなんて、ずるい。



ドキッてしちゃったじゃん。