そう思いながら、制服の袖に手を通した。
熱も下がって元気になったから、今日からまた学校に行く。
「キミ子。あなた病み上がりなんだから、あんまり無理しないのよ?」
そんな私を、お母さんは心配してくれてるみたいだ。
「大丈夫だよ。もう元気だし!」
「今日も雨降るって天気予報で言ってたから、傘持って行きなさいね?」
「はーい……」
あっ!!
傘と言えば、あのかっこいい人に貸したままだった。
どうしよう。
勢いだけで押し付けちゃって、あとあと後悔するなんて思ってもなかった。
まぁいっか。
今日、どこかで安いビニール傘でも買おう。