「やぁ、久しぶりだね、元気だったか?」

ミルおじさんは電話口で嬉しそうにそう話し相手に向かって、うんうんと嬉しそうに相槌を打っています。リンダは居間でその様子を除き見ながら、クッキーを摘まんでいました。

「大丈夫だよ気にする事は無い。君は大事な友人だからね。その息子さんだ、丁重に扱わせて貰うよ」

リンダは、嬉しそうなミルおじさんの様子を興味深々盗み見ながら相手は誰だろうと想像を巡らせました。

「じゃぁ、おやすみ――と、言ってもそちらは昼間か。ああ、じゃぁ又、手紙でも、ああ、待っているよ、じゃぁね……」

ミルおじさんは上機嫌、笑顔で電話を切りました。

「誰からだったの?」

居間に入って来たミルおじさんにリンダは早速そう尋ねて見ました。

「ん?ああ、南君のお父さんからだ。息子をよろしくと言う事だった」

「へぇ、地球から電話?」

「ああ、そうだ」

「凄いねぇ、星間通信で10分も話すなんて。電話代一体いくらになるのかしら?」

リンダの妙に現実的な物の見方にミルおじさんはちょっと苦笑いを見せました。
 確かに星間通信は普通の電話と桁が一つ違います。この時代になっても高級品で一般人がおいそれと掛けられる物ではありません。