【莉奈side】



「……――お前、俺の女になれ」


「は、はいッ!?」


「分かったな?」


「へっ?全然分かんな……――」


「お前は黙って俺の言うことを聞いてればいいんだよ」


あたしの言葉をさえぎるようにそう言って、眉間にしわを寄せる彼。


切れ長の茶色くて鋭い瞳に見つめられている。


そう思うだけで何故か目を反らしてしまいたい衝動に駆られる。


ずっと見ていたら、心臓がどうかしちゃう。


だけど、目を反らす暇もないくらいのはやさで彼があたしに追い打ちをかける。



「いいか?俺の言うことは絶対だ」


そ、そんなぁ……!!


有無を言わせないその口調に、あたしは困り果てて目を泳がせた。