―――ついにやってきたライブ当日。

「緊張するね~!!っていうか、この会場広すぎじゃない!?」

「まぁ大々的に予告されてたからね」

あたし達はステージの上から会場をぐるりと見渡している。

これからリハーサルがはじまるから、会場を見ておけって言われたから。

「あぁ、これか」

そう言ってポケットから一枚の紙を取り出した魁人君。

「それそれ。さっき面白半分で先生に渡されたそれこそがあたし達のライブを大々的に広めたポスターね」

「何それ?えっと・・・夢先学園の生徒によるライブ。デビュー前とは思えない素晴らしい演奏をとくとご覧あれ!って何これ」

「さっき先生に渡されてただろ・・・。それに、これいたるところに貼ってあるぜ」

邏生君があきれたようにそう言うけど、あたしはこんなの初めてみたんだもん。

「これだけ言われちゃ、期待にそう演技をしなくちゃだよね」

「そうだね~。永遠ミスしないでよ」

こんなときまで彩菜ちゃんにいじられている永遠君を見たあたし達の緊張は一気にどこかに飛んで行ったのだった。