-1996年 秋-

祐也と付き合ってから半年が
過ぎた。その間莉亜と祐也は
“ポケベル”で毎日何回も
メッセージのやりとりをしてきた


「ナニシテル?」

『ユウヤノコトカンガエテタ』


「オレモ、リアニアイタイ」


結局こんなメッセージのやりとり
のあとは気持ちが高ぶって電話を
始めてしまう。お互いの家電に
かけるのはすごく緊張した


けど祐也の声を聞くと更に欲が
出てしまいすごく会いたくなる。


『ゆうやぁ〜会いたいよ。今すぐ
会いたいよ。』


莉亜より少し大人の祐也は冷静に

「1つ頑張って寝たら明日すぐに
会えるじゃん?なっ。」


小さい子供を慰めるように祐也は
莉亜に優しくそう言う。


祐也は言葉数は凄く少なく少し
クールな部分がある。祐也の
周りの人はそんな祐也のことを


“アイツはいつも何を考えてる
のかわかんないんだよなっ”
って思うらしい。


そんな祐也のことを莉亜はこの
半年でやっとわかるようになった


少し無器用で言葉数が少ないから
伝わりにくいけど、その少ない
言葉には愛情深い言葉がいくつも
あったりする。そんな祐也が好き