闇の中に荒れ狂う野獣がいた。


荒々しいオーラを纏う孤独な野獣を…



“おい、その辺にしとけ。そいつ気を失ってる”


私がそう言うと、野獣は顔をこちらに向けた。



その目はなにも映していなくて

…死んだ目だった


“何だてめぇ…”


野獣は冷めた低い声で威嚇するように言った。



“お前はなんのために喧嘩する?ただストレス発散のために殴っても、虚しいだけ。それはお前が一番分かってるんだろ?”



野獣はなにも言わずじっと見つめてくる。