どれくらい暗闇にいるのかさえわからない。

遠くで『モカ、モカ、モカ…』って聞こえる。

愛おしい人の声。

戻っていいのだろうか?

でも縁談の彼女から邪魔だと言われ、傍に居られ
ないなら戻ってはいけない。

でも日に日に思いは大きくなる。

斗輝に会いたい。

斗輝に『萌佳』って呼んでほしい。

赤ちゃん大丈夫なのかな?

そっとお腹に手を当てた。