「おっはよー」

朝、マカは普通の女子高校生風に明るく元気に教室に入った。

「マカ、おはよう」

「おはようさん、マカ」

クラスメート達は笑顔でマカに声をかける。

「おはよう、マカ。今日はちょっと遅かったね」

「ミナ、おはよう。うん、実は昨日の夜、ちょっと夜更かししちゃってさあ」

親友のミナとの会話もいつものこと。

―だが、途中で割り込んできた声があったのは、突然のことだった。

「夜更しは美容によくないよ、マカ」

「分かってはいるんだけどね~…って、えっ?」

低くも美しい男性の声に驚いて顔を上げる。

そして声のする方―自分の後ろの席を見て、マカは大きく眼を見開いた。