目を覚ますと、もう見慣れてしまった天井が見えた。


朔夜の……マンション……。



眠ってしまう前の記憶をゆっくり思い出す。


十六夜は……死んでしまった、よね……?


死の瞬間は見ていないからはっきりとは分からない。

でも、最後に見た十六夜は……。




……何だろう。

妙な気分だった。


十六夜の死を悲しんでいる訳じゃない。

でも、死んで当然だとも思えない。


今でも憎んでいるのは変わりないのに、それだけじゃない感情があった。

理由は分かってる。


あの日のことを、思い出してしまったからだ……。