安西先輩は楽しそうに笑って、夏輝先輩は困ったように笑いながら私を見ている。



……なんか顔についてるのかな。


指先で顔をぺたぺたと触ってみるけれど、何もついている気配なし。

首を傾げて先輩たちを見返すと、二人同時に吹き出した。



「こりゃ大変やわ。応援してんで夏輝」


「それはどーも。…ま、そこが可愛いんだけどね」


「……?」


…なんの話?



「てか雪乃ちゃん、髪さらさらやなー。うらやましいわ」


「おまえはもう雪乃ちゃんに触るな!」


私一人、首を傾げているのを無視して、
安西先輩が私の髪を触るのを、夏輝先輩が引き剥がす。


「………」



ぎゃーぎゃーと言い合いする先輩たち。


…よくわかんないけど…



「…賑やかになりそう…」



私は小さく呟いた。