カチャカチャと食器の音だけが響く。


フォークで口に運びながらチラリと目の前に座っている拓斗さんを見る。





「優子?」





私からの視線に気付いたのか拓斗さんは私の名前を呼ぶ。


どう言えば、スキンシップのタイミングを探してましたなんて拓斗さんに言えっこないよ…





「えっ、あの、いや、だからその」

「あぁ」

「拓斗さんって食べ方綺麗ですよね」





素直に言えなくて嘘をつく。


けど、いつも気になってた事だから…





「作法は厳しかったからな」

「そうなんですか?」





やっぱりあれかな。


拓斗さんはお金持ち育ちだし外食も私に比べはるかに多いはずだし、それこそ高いお店で。