「急にどうしたのよ?」
お母さんは不思議そうに私を見た。
歓迎されると思って実家に帰ってきたのに、お母さんの一言目がこれだなんてショック…
「ただね、お母さんの」
「なに?」
「お母さんの作ったご飯食べたくて来た」
そう言った私にお母さんはなにそれと軽く笑い、親子丼ね?と一言。
「うん!」
私はお母さんが作る料理の中で親子丼が大好物。
親子丼にしては少し甘く、そして諄いところが大好き。
「買いに行かなくちゃね」
「一緒に行く」
「甘えん坊ねぇ」
実家から徒歩10分程度のところにスーパーがあり、それから更に5分歩けば昔ながらの商店街にもいける。