「拓斗さん、何時頃に帰ってきますか?」





大きな欠伸を掌で隠しながら、靴箱から靴を出している拓斗さんに聞くと。





「詳しくは分からない」

「そうですか…」

「あと」





あと、と言った拓斗さんはくるりと周り私と向かい合う体勢になり、拓斗さんが腰を曲げた事によって私と目線が同じ高さになった。


――えっ。


もしかしてこれってまさかのアレなのかな?


ドキドキしながら拓斗さんを見上げる。





「優子」

「は、い」





ゆっくりゆっくりと顔を近付けてくる拓斗さん。


うわ、うわっ。





「―…しなくていい」

「へ」

「これからは見送りしなくていい。お互い面倒になるだけだろ?」