「仕事行ったんだ…」





拓斗さんが玄関を出ていく音を聞いてから、自分の部屋から出た私は玄関に向かってそう呟いた。


てっきり今日も休むと思って…


昨日は休み一日ゆっくりしたけどまだ体調は万全じゃないと思うし、何たって一昨日倒れた理由は過労。


それなのにもう仕事行くって早過ぎると思う。





「心配だよ…」





そんな気持ちでリビングに入るとテーブルに置いてある袋に目がいく。


あれ、これって…





「薬だよね…?」





その袋は昨日拓斗さんの部屋で見て拓斗さんに渡した薬が入ってた袋そのもの。


まじまじと袋を見れば薬の文字があり、中身も入ったまま。


もしかして拓斗さん持っていくのを忘れたのかな。