―――………


「……――危ない!!」


そんな叫び声と同時に突き飛ばされる体。


あまりに突然のことに、受け身なんてとれるはずもなくて。


だけどあたしが地面に倒れこむと同時に、見知らぬお兄さんが車に跳ね飛ばされた。


それは本当に一瞬の出来事で。


えっ……?何?一体何が起こったの?



「いたっ……」


こめかみの辺りに痛みが走って手でその部分に触れると、真っ赤な血が指先につく。