──全く、どうしてオレの周りにはこんなに大人気ないヤツが多いんだ?


『類は友を呼ぶ』

そんな言葉、オレは絶対に認めない。




それは陽人から、午前中の練習を終えてヘトヘトになって部室に戻ったオレへの、ささやかな嫌がらせだった。


ロッカーの扉を開けた瞬間、オレの目に飛び込んできたのは、プリングルズの派手なパッケージ。

蓋なし。

しかも横倒し。

おいおい、勘弁してくれ……。

粉々になったポテチの屑が、丸めて突っ込んでおいた制服の上に散乱してるじゃないか。


ロッカーの中はやたらと油臭くて、練習を終えたばかりの疲れきった体にはまさに毒。

制服を手に取って嫌々鼻を近づけると、それには案の定こってりした独特のにおいが染み付いていた。

こんな気持ち悪いもの、着られるか!


オレは制服を再びロッカーに押し込んだ。


だけど、ここで騒いだら陽人の思うツボだ。


「おい、陽人。何だよこれは」

オレは、何食わぬ顔で俺の隣に立ち、着替えを始めていた親友の陽人に一瞥をくれると、できるだけ冷静にそう言った。