数ヶ月ぶりに実家に帰ると父と母は暖かく迎えてくれた。
風間が連絡をしてくれていたのだ。
「風間さん、すまなかったね。わざわざ送り届けてくれて」
「いえ。夜分に申し訳ありませんでした」
父の言葉に風間が丁寧に頭を下げる。
私も風間を振り返り頭を下げた。
「風間さん、ありがとう」
「真琴様。私は真琴様の味方ですから。いつでもご連絡下さい」
風間はそう優しく言って帰っていった。
それを見送ると母が明るく私の肩を叩いた。
「真琴、お腹空いてない? 何か作ろうか」
「ううん、大丈夫。お父さん、お母さん、ごめんね?」
きっとお父さんに迷惑がかかるかもしれない。
お父さんの会社からの命令でした結婚だったから、最悪の結末になるかもしれないのだ。