彼女をすぐにとっかえひっかえするような男は大嫌い。
誰にでも“好き”って、言えちゃうような男も大嫌い。
もちろん浮気なんてありえない。
甘い言葉を簡単に囁いて、女の子に気を持たせるのだって考えられない。
あたしは男っていうのは、1人を一途に愛するものだと思ってる。
もちろん女もだけど。
硬派でいるのが“男”ってものじゃないの?
………つまり、軽くてチャラついた男は心の底から大嫌い。
だから、アイツは初めて会った時から大嫌いだった。
暗くても分かるくらい明るい金色の短い髪があまりにも目立って。
色素の薄い茶色の瞳がキレイすぎて、その瞳に吸い込まれそうで。
低い声は胸に響いて。
たくさんの女の子に甘い言葉を囁いてきたその口で、あたしを何度も惑わせ。
アイツは誰にでも『可愛い』と言った。
『好き』と言った。
とにかくアイツは女の子が大好きで、典型的なあたしの大嫌いな“チャラ男”で、
最初からあたしの、嫌いなタイプの男の中に入ってた。
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