「おはようございます。」

事務所に入ると、そこにはすでに琴美先輩がいた。

「早いですね、先輩。」

先輩はいつも出社時間ギリギリに駆け込んでくるのに、今日は10分前にもう来ている。

「昨日の夜電話なかったけど?」

その先輩の言葉で、約束を忘れていたことを思い出してハッとする。

「で、どうだったの?」

琴美先輩はすでに感づいているのかいないのか、意味深に笑っている。

「それがですね…」

なんて説明すればいいんだろう。

「えっと、付き合う事になりました。」

経緯を説明するより、結果を報告する方が分かりやすいよね。

「付き合うって、告白したの?」

先輩は目を丸くして、いかにも驚いてますといった表情をする。

「告白、されたんです。」