琴美先輩のアドバイス通り、手持ちの服で一番デキる女路線のコーディネイトをした。

「良いんじゃない?」

朝いちで先輩に言われた。

「可笑しくないですかね…。」

「どっからみても良い女ね。」

自分の目には狂いはない!とでも言いたげな先輩。

「自信持ちなさい。」

「はい。」

先輩は今までにみたことがないくらいに真剣な目をしたから、思わず背筋が伸びだ。

「綾乃、ちゃんと笑ってるんだから。」

「ぇ?」

思わぬことを言われて、聞き返してしまった。

「私が初めて綾乃を見た時、全然楽しそうに笑わなかったけど、今は違う。ちゃんと笑ってる。」

「…先輩。」

「綾乃はちゃんと今を生きてる。」

「はい。」

なんだか、涙が出そうだった。