「俺達、もう別れよう」
こうなることはずっと前から分かっていた。
もう裕の目にあたしが映っていないことも、裕の心の中にいるのが他の女の子であることも。
「うん。あたしも別れたいって思ってたから。ちょうどよかったよ、バイバイ」
最後くらい、意地張って強がってもいいよね?
嫌な女になってもいいよね?
ホッとした表情を浮かべると裕は、
「元気でな」
そう言ってあたしの頭を軽く撫でた。
そして、躊躇(ちゅうちょ)することなくあたしに背中を向けて歩きだした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…