「いっちゃん、行かないでっ!

光里を置いてかないでよっ!!」



「大丈夫、光里。

いつかオレが光里を迎えに行くから」



「ほっほんとう??」



「うん…約束だから……」







寂しくて

辛くて

絶望を知った六歳の春。



まだ幼かったあたしは、大事な人を手放してしまった事に、もがき苦しんでいた。



だから、お願い。

あの約束を守って、帰ってきてよ。



あたしはいつまでも待っているから。


たとえあなたがあたしを忘れていたとしても。





―――いっちゃん……





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