四月四日。
 この日から、絵理はオレの通う条星学園の生徒になる。

 この学校は大半の生徒が、上流階級の子息令嬢であると同時に、徹底した成績主義で、クラスや席順などは全て成績によって分けられる。

 一部の委員会も成績次第で割り振られ、三年の主席の生徒は自動的に生徒会長を務める事になるのだ。

 その代わり、優秀な成績の生徒は学費が全額免除になる。金持ちでもなんでもないオレが、この学校を選んだのはその為だった。

 入試で主席を取った生徒は、入学式の時に新入生代表の挨拶をする事になるのだが。

「その要請が来ていない、という事は、私よりも良い点を取った者がいたという事か」

「そうなりますね」

 黒塗りの高級車に乗り、学校へと向かう。

 さすがに、オレの年では運転免許がないので、送迎はお付の運転手さんに行ってもらう事になっていた。

 その為、いつものラフな口調というわけにもいかず、敬語で会話をしていた。

「ちなみに、絵理様は何点だったのですか?」

「五教科の合計で四九八点だ。一問ニアミスをしたのが悔やまれるな」

 ほぼ満点じゃないか。
 これなら自信満々だったのも納得がいく。

「そう気を落とさずに。重要なのは知識を得る事であって、点数はその目安にしか過ぎませんよ」

「確かにそうだが……」

 そんな話をしているうちに、学校へ着いた。