生徒達の行き交う大学の廊下を歩きながら、れねはある人を探していた。 その人を見つけると嬉しい。 その人を見つけると幸せな気持ちになれる。 れねには井崎裕吾という同じ年の恋人が居た。 中学生の頃告白して付き合いだして、同じ高校に入学し、同じ大学に入った。 長くおんなじ物を見るということの価値を、れねは凄いものだ、と思っている。 扉を開けて教室の中を見回したが、裕吾は居なかった。 れねは仕方なく窓際に席を見つけて座った。