いたずらみたいな恋の戦略(ストラテジー)

「経験が欲しいなら恋愛も経験じゃん!ガキの頃の恋愛なんか、ぶっちゃけ言うとお遊び。


けど、今は社会人になる一歩前の大学生。


20代で男捕まえとかなきゃ、後々大変だよ?」


「大変、か…。…ま、考えとく」


「そう来なくっちゃ!それで、葉月、今度紹介してくれる男ってのは!?」


「うん、この前連絡取れたよ。今週末空いてるからどう?だってさ」


「よし来た!会いに行って今度こそ男ゲットだ!!」


微笑みながら知り合いの男に連絡を取り付けて芽依に紹介する葉月と、


それを待ってました!と言わんばかりな歓喜するように笑う芽依。


私は飲み込み逃した最後の一口のパスタを二人の笑っている光景を目の端で捉えながら口に含んだ。


芽依がさっき言ってた『20代で男捕まえとかなきゃ、後々大変だよ?』という言葉にクスッと密かに思い出し笑いをする。


まだ入学したてのバリバリ大学一年生の18歳なのに、もうそんなこと考えてるなんて、


素直にすごいし、人生に必死でちょっと羨ましいな。


そんなことを思いながら、先に食べ終えたパスタを近くの空いている席の机に置く。


2人の話にうんうんと頷いて「それな」「めっちゃ分かる」と心の底から出る同調の言葉を吐き出して笑う。


───やっぱり、恋愛なんて二の次だな。


今、こうやって、自分を素直にさらけ出して、笑うことも泣くことも否定されない、


この場所で笑っていることが、今の私の幸せかな。