翌朝、重い瞼を擦りながら目を覚ました七海は、真横にある整いすぎた顔に心臓が止まりそうになった。
朝までいてほしいと頼んだのは自分だが、大和のベッドで一緒に眠ることまでは、さすがに想像していなかった。
子どもっぽいわがままをいい、しがみついて泣きながら寝るなんて、恥ずかしすぎる。
大和は呆れただろうな。
七海がそっとベッドから抜け出そうとした瞬間、サイドテーブルの上で自分のスマートフォンの着信音が鳴った。
画面に表示された名前は叔父。
ワタワタと慌てながら通話ボタンを押すと、寝ていたはずの大和の手が伸び、スマートフォンの通話をスピーカーに変えてしまった。
『……七海か?』
叔父の声は、掠れて今にも消えてしまいそうだった。
「おはようございます、叔父さん」
『申し訳、なかった……っ。本当に、すまないことをした……!』
七海は息を呑み、思わずベッドの布団をぎゅっと握りしめる。
『お前の両親が遺してくれた大切なお金を、あいつが……私の妻が、あんな風に使い込んでいたなんて……』
叔父は何も知らなかった。
それは本当だと思う。
単身赴任を繰り返していた叔父は、盆と正月しか家に戻らなかった。
その数日間、叔母は完璧なまでに「姪を気遣う叔母」を演じていたのだろう。
『返す。全額、必ず返すから……! 家を売って、退職金を前借りして、一円残らずお前に返す。だから……』
悲痛な叫びに、七海は言葉を詰まらせた。
「割り込んですみません。佐野です」
その沈黙を埋めるように、横にいた大和が七海の手の上からスマートフォンを支える。
大きな手の温もりに、七海の固まっていた指先からふっと力が抜けた。
「まず、七海の気持ちを直接聞いてもらえませんか?」
大和がランチの席を提案すると、叔父は食い気味に「会いたい」と応じた。
叔母は真に任せ、自分一人で行くと。
大和は時間と場所を指定し、あっという間に主導権を握ったまま通話を終わらせてしまった。
「泣きついてきたな」
大和は他人事のように笑いながら七海の手からスマートフォンを奪い、元のサイドテーブルへ。
「まぁ、想定内か」
大和は気怠げに髪をかき上げる。
はだけたシャツの隙間から覗く鋭い鎖骨が無駄なほど色っぽく、見てはならない物を見てしまった七海は慌てて大和から目を逸らした。
朝までいてほしいと頼んだのは自分だが、大和のベッドで一緒に眠ることまでは、さすがに想像していなかった。
子どもっぽいわがままをいい、しがみついて泣きながら寝るなんて、恥ずかしすぎる。
大和は呆れただろうな。
七海がそっとベッドから抜け出そうとした瞬間、サイドテーブルの上で自分のスマートフォンの着信音が鳴った。
画面に表示された名前は叔父。
ワタワタと慌てながら通話ボタンを押すと、寝ていたはずの大和の手が伸び、スマートフォンの通話をスピーカーに変えてしまった。
『……七海か?』
叔父の声は、掠れて今にも消えてしまいそうだった。
「おはようございます、叔父さん」
『申し訳、なかった……っ。本当に、すまないことをした……!』
七海は息を呑み、思わずベッドの布団をぎゅっと握りしめる。
『お前の両親が遺してくれた大切なお金を、あいつが……私の妻が、あんな風に使い込んでいたなんて……』
叔父は何も知らなかった。
それは本当だと思う。
単身赴任を繰り返していた叔父は、盆と正月しか家に戻らなかった。
その数日間、叔母は完璧なまでに「姪を気遣う叔母」を演じていたのだろう。
『返す。全額、必ず返すから……! 家を売って、退職金を前借りして、一円残らずお前に返す。だから……』
悲痛な叫びに、七海は言葉を詰まらせた。
「割り込んですみません。佐野です」
その沈黙を埋めるように、横にいた大和が七海の手の上からスマートフォンを支える。
大きな手の温もりに、七海の固まっていた指先からふっと力が抜けた。
「まず、七海の気持ちを直接聞いてもらえませんか?」
大和がランチの席を提案すると、叔父は食い気味に「会いたい」と応じた。
叔母は真に任せ、自分一人で行くと。
大和は時間と場所を指定し、あっという間に主導権を握ったまま通話を終わらせてしまった。
「泣きついてきたな」
大和は他人事のように笑いながら七海の手からスマートフォンを奪い、元のサイドテーブルへ。
「まぁ、想定内か」
大和は気怠げに髪をかき上げる。
はだけたシャツの隙間から覗く鋭い鎖骨が無駄なほど色っぽく、見てはならない物を見てしまった七海は慌てて大和から目を逸らした。



