ウッド調とグリーンを基調とした個室の居酒屋は、地酒が有名な店だった。
お刺身やおつまみになりそうな料理が所狭しと並び、お酒は飲み放題。
そして20歳になったばかりの七海の前には、はじめて手に取るビールがある。
「無理しなくていいからね」
「はい」
と言ったが、すでに臭いだけで苦そうだ。
「では、森口の門出と、七海ちゃんの誕生日に乾杯~!」
西九条のあいさつで始まった送別会は、早々に地酒大会になった。
「七海、佐野弁護士は?」
「病院が終わってから来るって言っていたから……」
そわそわしている真が面白い。
先日、大和の医療弁護士の姿を見てから、真はすっかり大和が憧れの人になったようだ。
「苦い」
「カクテルの方がいいんじゃないか?」
メニューを広げながら真はファジーネーブルを指差す。
「ピーチリキュールとオレンジジュースで作ったこれはどう? 七海、オレンジ好きだろ?」
「それにする」
名前を見てもさっぱりわからないし、真におまかせだ。
「あのさ、七海。これ……」
誕生日プレゼントだと真は手のひらサイズの袋を取り出す。
「いちご大福じゃない!」
「え? いちご大福の方がよかったのか?」
焦る真を笑いながら七海は袋を開けた。
「わ、かわいい」
白いリボンのバレッタを袋から取り出した七海は、すぐに髪に付ける。
「どう?」
「いいと……思う」
「ありがと、真くん」
大事にするねと七海が微笑むと、耳まで真っ赤になった真を見ることができた。
「森口はさ~、おっきい事務所がいいんじゃない?」
始まったばかりだというのにもう顔が赤く、空気も読めない野村が斜め前から真に声をかける。
「どうしてですか?」
「新人教育とかしっかりしているし、海外留学とか語学とか、弁護士のスキルアップをサポートする制度がすごいからさ」
「そうそう。森口みたいにやる気のある奴は、大きい事務所でいろいろ学んでから独立するといいよ」
先輩弁護士たちのためになるアドバイスに、真は食らいつく。
あれこれ質問する真を、先輩弁護士たちは笑った。
「そういうところ!」
真面目でやる気があり、どんどん吸収しようとする姿勢が俺たちには眩しすぎると野村は揶揄う。
「真くん、がんばってね」
「とりあえず、四年でちゃんと大学卒業できるようにがんばるよ」
来週からテストなんだと言われた七海は、目を丸くした。
「こんなギリギリまで働いていて大丈夫なの?」
「明日から必死で勉強する」
談笑していると、七海のファジーネーブルと真のカンパリオレンジが運ばれてくる。
「真くんのもオレンジ?」
「こっちは少し苦いから、七海の方が飲みやすいと思う」
「お酒ってオレンジ多いんだね」
何も気づかずニコニコしている七海を見た野村は「森口、ドンマ~イ」と叫びながらグラスを空けた。
お刺身やおつまみになりそうな料理が所狭しと並び、お酒は飲み放題。
そして20歳になったばかりの七海の前には、はじめて手に取るビールがある。
「無理しなくていいからね」
「はい」
と言ったが、すでに臭いだけで苦そうだ。
「では、森口の門出と、七海ちゃんの誕生日に乾杯~!」
西九条のあいさつで始まった送別会は、早々に地酒大会になった。
「七海、佐野弁護士は?」
「病院が終わってから来るって言っていたから……」
そわそわしている真が面白い。
先日、大和の医療弁護士の姿を見てから、真はすっかり大和が憧れの人になったようだ。
「苦い」
「カクテルの方がいいんじゃないか?」
メニューを広げながら真はファジーネーブルを指差す。
「ピーチリキュールとオレンジジュースで作ったこれはどう? 七海、オレンジ好きだろ?」
「それにする」
名前を見てもさっぱりわからないし、真におまかせだ。
「あのさ、七海。これ……」
誕生日プレゼントだと真は手のひらサイズの袋を取り出す。
「いちご大福じゃない!」
「え? いちご大福の方がよかったのか?」
焦る真を笑いながら七海は袋を開けた。
「わ、かわいい」
白いリボンのバレッタを袋から取り出した七海は、すぐに髪に付ける。
「どう?」
「いいと……思う」
「ありがと、真くん」
大事にするねと七海が微笑むと、耳まで真っ赤になった真を見ることができた。
「森口はさ~、おっきい事務所がいいんじゃない?」
始まったばかりだというのにもう顔が赤く、空気も読めない野村が斜め前から真に声をかける。
「どうしてですか?」
「新人教育とかしっかりしているし、海外留学とか語学とか、弁護士のスキルアップをサポートする制度がすごいからさ」
「そうそう。森口みたいにやる気のある奴は、大きい事務所でいろいろ学んでから独立するといいよ」
先輩弁護士たちのためになるアドバイスに、真は食らいつく。
あれこれ質問する真を、先輩弁護士たちは笑った。
「そういうところ!」
真面目でやる気があり、どんどん吸収しようとする姿勢が俺たちには眩しすぎると野村は揶揄う。
「真くん、がんばってね」
「とりあえず、四年でちゃんと大学卒業できるようにがんばるよ」
来週からテストなんだと言われた七海は、目を丸くした。
「こんなギリギリまで働いていて大丈夫なの?」
「明日から必死で勉強する」
談笑していると、七海のファジーネーブルと真のカンパリオレンジが運ばれてくる。
「真くんのもオレンジ?」
「こっちは少し苦いから、七海の方が飲みやすいと思う」
「お酒ってオレンジ多いんだね」
何も気づかずニコニコしている七海を見た野村は「森口、ドンマ~イ」と叫びながらグラスを空けた。



