「……それはなんだ?」
「クマです!」
クマというにはバランスが悪すぎる顔と耳の大きさになってしまったが、焼いたらきっとクマになるはず。
そんな淡い期待を胸に、七海は店主に生地をオーブンに入れてもらった。
ちょうど焼き上がった食パンを取り出し、店主は型の蓋を開ける。
「焼き色は薄めだけれど……」
柔らかすぎる食パンをなんとか切ると、中からきれいな緑色が見えた。
「さっきよりも抹茶の色がきれい」
「うん、抹茶の香りがしていいね」
店主はパンを手でちぎり、食べながら頷く。
七海と大和も熱々のパンを手に取り、試食をしてみた。
「おいしい!」
「もう少し甘みを減らしても良いのでは?」
「そうだね。抹茶の香りが濃いから、あんこを減らそうか」
七海はおいしいしか言えないのに、大和と店主は意気投合していて少し悔しい。
大和は本当になんでもできるんだな……。
頭がいいとなんでもできちゃうのかな。うらやましい。
すぐにデニッシュ生地も焼けたが、こちらはあんこがぼろぼろと落ちて食べるのが大変だった。
ハード系の生地は小麦の味が勝ってしまい、抹茶には向いていなかった。
「クマですよ、クマ!」
七海が作ったクマのはずのパンは、見事に片耳がバラバラ事件となった。
大和のねじりパンは商品ではないのかと思うほど上手なのに。
一緒に作ったのに、絶対おかしい!
「卵ナシの角食で決まりだね」
お店の新商品は無事に決定。
抹茶ベーグルもおいしかったので、そちらも発売することになった。
お土産に試作品のパンをたくさんもらった七海はニコニコしながらマンションへ。
もう二度と行けないと思っていたあのパン屋に、これからも行けることがなによりもうれしい。
「大和さん、ありがとう」
七海が微笑むと、大和に頭をぐちゃっと遊ばれる。
「クマパンは自分で食べろよ」
「片耳あげますよ!」
絶対美味しいですと力説した七海は、わかったわかったと大和にあしらわれた。
「クマです!」
クマというにはバランスが悪すぎる顔と耳の大きさになってしまったが、焼いたらきっとクマになるはず。
そんな淡い期待を胸に、七海は店主に生地をオーブンに入れてもらった。
ちょうど焼き上がった食パンを取り出し、店主は型の蓋を開ける。
「焼き色は薄めだけれど……」
柔らかすぎる食パンをなんとか切ると、中からきれいな緑色が見えた。
「さっきよりも抹茶の色がきれい」
「うん、抹茶の香りがしていいね」
店主はパンを手でちぎり、食べながら頷く。
七海と大和も熱々のパンを手に取り、試食をしてみた。
「おいしい!」
「もう少し甘みを減らしても良いのでは?」
「そうだね。抹茶の香りが濃いから、あんこを減らそうか」
七海はおいしいしか言えないのに、大和と店主は意気投合していて少し悔しい。
大和は本当になんでもできるんだな……。
頭がいいとなんでもできちゃうのかな。うらやましい。
すぐにデニッシュ生地も焼けたが、こちらはあんこがぼろぼろと落ちて食べるのが大変だった。
ハード系の生地は小麦の味が勝ってしまい、抹茶には向いていなかった。
「クマですよ、クマ!」
七海が作ったクマのはずのパンは、見事に片耳がバラバラ事件となった。
大和のねじりパンは商品ではないのかと思うほど上手なのに。
一緒に作ったのに、絶対おかしい!
「卵ナシの角食で決まりだね」
お店の新商品は無事に決定。
抹茶ベーグルもおいしかったので、そちらも発売することになった。
お土産に試作品のパンをたくさんもらった七海はニコニコしながらマンションへ。
もう二度と行けないと思っていたあのパン屋に、これからも行けることがなによりもうれしい。
「大和さん、ありがとう」
七海が微笑むと、大和に頭をぐちゃっと遊ばれる。
「クマパンは自分で食べろよ」
「片耳あげますよ!」
絶対美味しいですと力説した七海は、わかったわかったと大和にあしらわれた。



