疼く気持ち-紫遊side-
「天城くん…あの……わ、私と付き合ってっっ!!!!」
………………まただ。
あの動画がバズってからというもの、告白される日々が続いている。昼休みは女子達で争奪戦らしい。正直勘弁して欲しい。
別に彼女が欲しくないわけじゃない。
健全な男子高校生は、それはもう喉から手が出る程にほしいんだろう。俺はそれより欲が無いものの、いつか彼女が欲しいとは思っている。しかし今は恋人云々より3人でだべる方が心地いい。
そして何より、こう毎日続く誰かもわからない女からの告白を適当にあしらえ無い事が地味に効いている。面倒だから。たった一言それが言えない。ダルい。そう言ったら変な事になる。余計な面倒ごとはゴメンだ。
紫遊「………ごめん」
女生徒「………っ」
紫遊「気持ちは嬉しいけど……」
女生徒「……月森さんが好きなの?」
紫遊「なんでそこで澪がでる?澪は中学が一緒なだけだ。環だって同じ」
女生徒「だったら、お試しでもいいから付き合ってよ!!!!」
紫遊「お試しって…」
女生徒「付き合ってみたら気持ちだって変わるかもだよ!?」
紫遊「勘弁してくれ…」
ため息が止まらない。
頼むからもう放っておいてくれ。
わーわー言っているが、どう言われようと気持ちは変わらない。
紫遊「俺の気持ちは伝えたから。俺は誰とも付き合うつもりは無い」
教室に帰ろう。本当に昼飯食う時間が無くなる。
告白してくれた子はまだ何か言ってるが、もうどうでもいい。返事はしたし、俺の役目は十分果たしただろう。
『しかしなんでこんなに忙しいんだ…』
告白ラッシュ、何故か写真撮影が始まったり、サイン書いてとせがまれたり、俺は一体なにをしてるんだ?
これが環の言うユニットアイドルになるってやつなんだろうか…。だとしたら大分苦手な船に乗ったな…。
「ねぇ、次のデートどこ行く?」
「この前カラオケデートだったし、次はのんびりできる所がいいなぁー」
………もう爆ぜろとも思わなくなった。
俺だっていつかは恋人がほしい。こんな告白ラッシュの中、なにを贅沢なと怒られてしまうのも覚悟だが…恋人はほしい。
1人の女性を愛して、デートをして、ケンカもするだろうが結婚したり子供が生まれたり…平凡な人生を送ると思っていた。
今はどうだ?
よく知りもしない女達から告白され続け、正直心臓が疲弊しきっている。何もかもどうでもいい。誰かこの混乱を鎮めてくれとすら願う。
紫遊「………はぁ…」
でも、最近変わってきた事もある…。
3人でどこ遊び行くか決める時は、澪はどこに行ったら喜ぶかなとか、これは澪が好きそうだとか…そんなことばかり。
環は何でも喜ぶところがある。だから苦手な所さえ突かなければ、3人で遊ぶ時も文句言わずに場を盛り上げてくれる。突然思いつきで変なゲームを始めたり、海辺の公園で澪が「階段ながー!」と言っただけで小学生以来のグリコをやったり。
その時、澪は笑顔だった。
懐かしいー!って言いながら、海そっちのけで3人でグリコを4回もやった。優勝者にはアイスの奢り!と言って結局負けて、アイス奢ってくれてたっけ…
「天城くん…あの……わ、私と付き合ってっっ!!!!」
………………まただ。
あの動画がバズってからというもの、告白される日々が続いている。昼休みは女子達で争奪戦らしい。正直勘弁して欲しい。
別に彼女が欲しくないわけじゃない。
健全な男子高校生は、それはもう喉から手が出る程にほしいんだろう。俺はそれより欲が無いものの、いつか彼女が欲しいとは思っている。しかし今は恋人云々より3人でだべる方が心地いい。
そして何より、こう毎日続く誰かもわからない女からの告白を適当にあしらえ無い事が地味に効いている。面倒だから。たった一言それが言えない。ダルい。そう言ったら変な事になる。余計な面倒ごとはゴメンだ。
紫遊「………ごめん」
女生徒「………っ」
紫遊「気持ちは嬉しいけど……」
女生徒「……月森さんが好きなの?」
紫遊「なんでそこで澪がでる?澪は中学が一緒なだけだ。環だって同じ」
女生徒「だったら、お試しでもいいから付き合ってよ!!!!」
紫遊「お試しって…」
女生徒「付き合ってみたら気持ちだって変わるかもだよ!?」
紫遊「勘弁してくれ…」
ため息が止まらない。
頼むからもう放っておいてくれ。
わーわー言っているが、どう言われようと気持ちは変わらない。
紫遊「俺の気持ちは伝えたから。俺は誰とも付き合うつもりは無い」
教室に帰ろう。本当に昼飯食う時間が無くなる。
告白してくれた子はまだ何か言ってるが、もうどうでもいい。返事はしたし、俺の役目は十分果たしただろう。
『しかしなんでこんなに忙しいんだ…』
告白ラッシュ、何故か写真撮影が始まったり、サイン書いてとせがまれたり、俺は一体なにをしてるんだ?
これが環の言うユニットアイドルになるってやつなんだろうか…。だとしたら大分苦手な船に乗ったな…。
「ねぇ、次のデートどこ行く?」
「この前カラオケデートだったし、次はのんびりできる所がいいなぁー」
………もう爆ぜろとも思わなくなった。
俺だっていつかは恋人がほしい。こんな告白ラッシュの中、なにを贅沢なと怒られてしまうのも覚悟だが…恋人はほしい。
1人の女性を愛して、デートをして、ケンカもするだろうが結婚したり子供が生まれたり…平凡な人生を送ると思っていた。
今はどうだ?
よく知りもしない女達から告白され続け、正直心臓が疲弊しきっている。何もかもどうでもいい。誰かこの混乱を鎮めてくれとすら願う。
紫遊「………はぁ…」
でも、最近変わってきた事もある…。
3人でどこ遊び行くか決める時は、澪はどこに行ったら喜ぶかなとか、これは澪が好きそうだとか…そんなことばかり。
環は何でも喜ぶところがある。だから苦手な所さえ突かなければ、3人で遊ぶ時も文句言わずに場を盛り上げてくれる。突然思いつきで変なゲームを始めたり、海辺の公園で澪が「階段ながー!」と言っただけで小学生以来のグリコをやったり。
その時、澪は笑顔だった。
懐かしいー!って言いながら、海そっちのけで3人でグリコを4回もやった。優勝者にはアイスの奢り!と言って結局負けて、アイス奢ってくれてたっけ…
