「私たちにうるさいって言ったのって寝るため?」
「ぁあ?じゃなかったら他に何があんだよ。お前、いちいちうぜぇ」
「…そだね。ごめん」
私がそう言うと、広瀬くんはハッとしたみたいで、また低い声に戻った。
「フン、お前に言ったわけじゃねーし!やっぱ、お前といるとわけわかんなくなる」
ええええ!
私に言ってなかったなら誰に言ってたの!?
いいけど…さ。
というか広瀬くん、顔色悪い?
本当に寝てないんだ…。それなら私と話していたら余計に体調悪くなったりするかも。
「広瀬くん、やっぱり寝て。うるさくしないから」
「は?何でだよ」
「体調、悪そうだから。寝れてないって本当なんだね。ごめん」
謝ってから心配で顔を覗き込むと広瀬くんが顔を真っ赤にして、のけぞった。
? あ、そうか。広瀬くん女嫌いだから嫌で離れたのか。顔が赤くなったのは体調が悪くなったからか。
もしかして、熱でもあるのかな?
保健委員だし、本当に心配だよ…。
「よかったら、保健室行く?そこなら眠れるよ。私、案内もするし」
そう言って広瀬くんの手を取る。
「なんで俺のこと…そんな心配すんの?関係ないのに、さっきからなんで」
関係なかったら心配しちゃいけないのかな?
こんなこと言われたら落ち込む…けど、やっぱりダメだ!
「寝れない理由はわからないし、関係ないのもわかってる。けどね、放っておけないのは誰でも同じだよ」
「変わってる」
アハハ…即答されたか…。
でも、胸がギュッと痛くなったのはどうして?