ギィ。扉が開く。


重い扉の郵便受けには、「水のトラブル、お任せください!」の文字がでかでかと書かれた磁石の広告が入っていて、玄関入ってすぐ、キッチンの横にある冷蔵庫にペタッと貼り付けた。


学生カバンをこたつ机の横に置き、セーラー服のまま、メガネをかけ直し、私は掃除機のスイッチを入れた。


時刻は16時ちょうど。あと30分もすれば、約束通り「彼」が来ることになっている。