「本当に妹君を頂けるのですか? 彼女に毒リンゴを持たせて、私のところに嫁がせるという解釈でよろしいでしょうか?」
ミリアと踊ることなど、彼女を娶ってしまえばいくらでも出来ると思い直した。
「口を慎みなさい、レナード・アーデン。私は次期皇后よ。次期皇后を魔女扱いするなんて本当に不敬な人ね」
ラキアス皇子はステラ・カルマンと婚約すれば、すぐに皇太子になるだろう。
でも、彼女は先ほどからラキアス皇子を皇帝にすると決めたと言い、自分を次期皇太子妃ではなく皇后と言っている。
つまり、現皇帝陛下にすぐに譲位させる算段があるということだ。
「随分とヒントをくださるのですね。その意図は何ですか?ついでに、私が妹君の心を得られないと思うのはなぜですか? 次期皇后陛下」
この機会を生かして、魔女からヒントをもらうことにした。
私はミリアと結婚できたとしても、彼女の心を得られなければ意味がない。
彼女に3日で飽きられるだなんて言われ、動揺していた。
「私はあなたから満足のいくサービスを受けられず不満なのに図々しいのですね。とても良い時間でしたわアーデン侯爵閣下」
気がつくとダンスの時間は終わっていて、彼女は優雅に挨拶をして去っていった。



