素敵な家族の一員になれると思うと胸が高鳴ってしまう。

「ミリア、とうとう我がアーデン侯爵家の秘密を明かす時が来ました。私は早くミリアに秘密を明かしたかったのですが、正式に家族になるまでは許されませんでした。この秘密が漏れてしまうと、間違いなくアーデン侯爵家の名声は一瞬にして失墜してしまうからです。私としてはもっとミリアとここにいたいのですが、おそらく早く行かないとあちらが待ちきれず来てしまう恐れがあります。それくらい、アーデン侯爵家の人間は恐ろしくせっかちだと思ってください。昨日まで見ていた家族と違っても嫌いにならないでくださいね」

レナードの言葉の意味は分かりかねるが、私は秘密を共有させてくれる家族になれたことが嬉しくてたまらない。

彼にエスコートされ私は階段をゆっくりと降りた。

「レナード、本当に結婚できたな。義姉上これからもレナードを宜しくお願いします。彼が金に見えない女性を見つけたと言った時には私は飛び上がるくらい驚きました!」

彼の兄の言葉の意味を理解できないのは、もしかしたら私の知識不足かもしれない。
彼の2人の兄もアカデミーで飛び抜けて優秀な成績をおさめている。

今までと会話の内容が変わっているのは、私を受け入れてくれている証拠だ。
このアカデミックな会話に私もついて行けるようになりたい。