「レナード、レナード、レナード⋯⋯」

私は彼の妻となった瞬間から、彼のことをレナード様ではなくレナードと呼ぼうと思っていた。

でも、我慢できなくて0時を過ぎた瞬間に見た彼の寝顔が愛おしくてついフライングしてしまった。

「私の可愛いミリア、まだ寝ていないのですか? 結婚式の主役はあなたですよ。もう、寝た方がよいと思うのですが」

私の声で起こしてしまっただろう彼に言われて慌ててしまう。

「申し訳ございません。今、寝るところでした」

結婚式でウェディングドレスを着れば、私は自分の容姿に自信を持てるだろうか。
彼は毎日私に可愛いと言ってくれるけれど、周りを見ると美しい貴族令嬢ばかり目についてしまいやっぱり自信が持てない。

明日の結婚式は皇宮のチャペルで行われる。