「全てミリアの言う通りにするので、そのような顔をしないでください。それと、どこに行きたいか教えてくださいね。あと、王子様の口づけが必要な時も教えてください」
彼が言った恥ずかしい言葉の数々に顔が熱くなる。
「あの、では王子様の口づけをください⋯⋯」
私は彼にお姫様だっこされたまま、王子様の口づけを受け取った。
「今日のお茶会も盛況だったようですね。200人以上来たら、もうお茶会と呼んで良いのかはわかりません。ミリアは社交が本当に得意ですよね」
レナード様が私の髪を愛おしそうに撫でてくる。
今日は3日間のお茶会連日開催の最終日だった。
私が最初に招待した5人の令嬢が私と違い、しっかりと周りの方と交流を行なっていてお友達を連れてきてくれただけだ。
そしてそのお友達の方も親切なことに彼女たちのお友達を連れて来てくれた。
200人規模のお茶会は立食パーティーのようだった。
本当の私はお茶会を開催するとしても、招待できる人など一人もいないような人間だ。
私は姉が特に招待状を出さずに、毎日同じメンバーでお茶会をしているのを見ていた。
それを見て、招待状を出さなくても良い方法は連日お茶会を開催するのだと思ったのだ。
姉の条件を満たそうとして開いたお茶会だが、私はとても楽しい時を過ごした気がする。
姉が望んでいるのは、私がアーデン公爵夫人としてふさわしい行いをして彼と結婚し幸せな生活をおくることではなかった。
彼女は私の幸せなど望んでもいなく、私を利用しているだけだったのだ。



