涙が流れてるかもしれない。

「レナード様にお願いがあります。サイラスの名誉を挽回してください!」

私は頭を床にこすりつけた。
私がサイラスの評判を上げようと彼の優秀さを話せば、余計な噂が立つだろう。

対立派閥のバーグ子爵家の令息の名誉を挽回しろだなんて、レナード様も困ることはわかっている。
私は彼を襲おうとしたり、無理な難題をお願いしたり本当にしょうもない。

「ミリア、お願いだから顔を上げてください。あなたのいう通りにしますから」
レナード様の優しい声がするが、私は今とてもお見せできる顔をしていない。

「サイラスが危険を顧みず、舞踏会で姉が私を洗脳している魔女だといったのです。だから私は自分が洗脳されているのではないかと思うことができました。彼はいつも私を優先して来てたから分かったのです。私が彼と会うとき私の都合で一方的に日時を知らせるだけでした。私は令嬢たちと約束を取り付けるときは相手の予定を気にしました。私は彼の優しさを利用した上で、駒のように利用していたのです。彼の予定など顧みず当然自分の都合に合わせるべきと思っていました。私は彼が私を好きなのを知っていましたが、私は本当に彼が好きだったのですか? レナード様もそのようなことをいってましたよね。私は自分の目的のためならなんでもするよな下品な女です。だから、もう私から離れてください」

体の震えが止まらない、しっかりと事実と向き合って自分がどれだけ最低な人間かが分かった。